韓国では「汚染水」、原発処理水を巡る激しい反応 政争の具にされているが、日本より議論は活発

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冒頭の寿司店の社長は言う。

「科学的な結果や海流の流れなどに基づいて水産物の安全性をお客様に説明しています。寿司が好きでいらっしゃる方々ですから、多くの方は理解しているようですが、いざ放出されれば口にしていいか不安だという方もいました」

韓国では、春頃から処理水放出について取り沙汰されるようになり、共に民主党は4月には議員が福島を訪問し、5月には大々的な反対デモを行うなど反対の声を強めてきた。テレビには、原子力専門家が登場し、処理水放出後の韓国海域と水産物の危険性について語り、塩の買い占めが起こり、寿司店からは客足が遠のき、水産物関連業者への風評被害が始まった。

韓国現政権を糾弾する「口実」にもなっている

韓国では処理水海洋放出そのものよりも、世論を離れて”政治的なもの”に発展している側面がある。23日、国会議事堂前で行われたキャンドルデモでも集まったたちが口にしていたのは、「尹錫悦大統領弾劾」だった。中道系紙記者は言う。

「処理水の海洋放出を問題としていますが、現政権の糾弾を目的としていることは明らかです。尹大統領を批判できる材料であれば何でもよいのです。土地開発を巡る特恵や背任などの嫌疑で在宅起訴され、裁判が進行中の李在明党代表がいよいよ追い詰められてきていますから、危機感は相当なものでしょう。

共に民主党はこれまでも人々の『食』を掲げて、時の政権を攻撃してきました。そのために被害が出たのは牛肉と瓜です。牛肉はアメリカ産牛肉を輸入しようとした李明博政権に対し、事実ではない狂牛病の恐怖を広げ、ひと月以上に及ぶデモも起きました。これは結果的に消費者が韓国産牛肉までも買い控える被害をだしましたが、皮肉にも2021年、韓国はアメリカ産牛肉輸入国で1位になっています」

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