京成千原線、「謎の土地」に秘められた延伸計画 単線だが複線規格の駅、終点の先に広がる用地
駅は起点の千葉線千葉中央を除いて5駅ある。いずれも複線に対応した構造だが、列車交換ができる大森台と学園前、そして終点のちはら台のみが2線だ。交換設備のない千葉寺駅、おゆみ野駅は2面分準備されたホームのうち片方しか使われておらず、見た目は「2面1線」という風変わりな駅となっている。使われていないほうのホームは「人類が絶滅してから○年後……」というテロップを入れるのにぴったりな風景だ。
そんな千原線、筆者がまず訪れたのは終点のちはら台駅だ。ちはら台の「ちはら」は「千葉」と「市原」を組み合わせた造語だという。話の初めからいきなり終点!?と思われるだろうが、千原線の不思議はここからが起点である。
列車がちはら台に着く直前、進行方向右手には広大なソーラーファーム(太陽光発電所)が広がっている。車両基地が造れそうなほどの広さだ。それもそのはず、千葉急行が車両基地用地として確保していた土地である。ちはら台駅からソーラーファームまでは、単線路線には過剰なほど幅の広い高架橋がつながっており、ちはら台駅から回送線を造ることを想定していたのだろう。
広い終点駅、その先に延びる線路
ちはら台は島式ホーム1面2線の駅だが、列車が発着する2線以外にもう1本線路があり、その線路と着発線の間にはホームをもう1面造って2面3線にできそうなスペースがある。
駅のコンコースに上がって振り返ると左側にホームへの階段があるが、右側にも階段が設置できそうな幅の仕切りで塞がれているところがある。
京成によると、千原線内で緩急接続や追い抜きを想定した準備工事や準備施設はないという。そうすると、ちはら台駅は2面3線化した場合、2つのホームに挟まれた中央の線路は折り返しや車庫からの入出庫の列車に使うことを想定したと考えられる。
なお、学園前駅の下り線にも、ホーム先端部に一見すると待避線を敷けそうなスペースがあるが、これについても待避線の増設を考慮したものではないのだそうだ。
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