京成千原線、「謎の土地」に秘められた延伸計画 単線だが複線規格の駅、終点の先に広がる用地
売却の背景には、想定以上に開業まで時間がかかってしまったことがあったようだ。同記事によると、開業が延び延びとなったことで運賃収入も開発用地の利用による収入も入らず、「金利支払いもままならなくなり、そこでやむをえず、売りたくない開発用地を売って、年間5億円の金利返済や経営資金にしてしまった」と千葉急行専務は赤裸々に訴えている。
このような事情で千葉急行の用地は売却が進んでしまったようだ。現在も確保されているのは、この際に売られなかった土地ということになるだろう。なお、同記事によると千葉急行と京成が売却した土地の一部は市原市が取得している。
その鉄道用地を追って歩いている途中で出会った地元の方に聞いたところ、「辰巳台への計画はなくなって帝京平成大学のほうに伸ばすって話になったんでしょ?」という話を聞いた。これについて京成に確認してみると、「当社は千葉急行電鉄より免許を引き継いだ経緯があり、ルート選定については関与しておりません」とのことであった。
辰巳台ニュータウンの細長い土地
のどかな田んぼの中を進み、山道を登り、入り組んだ住宅地を抜けると、細長い斜面状の千原線用地にたどり着く。辰巳台ニュータウンである。この用地の北端にある駐車場で、犬の散歩に出ていた住民の方に千原線延伸について聞いてみると、「この辺は高齢化もしているし、もう今さら期待はしてないなぁ」とのことだった。
辰巳台の用地は1kmほど続いており、北半分は斜面状の用地が続き、街の中心部は平坦な土地になっていて、京成不動産やパチンコ屋の駐車場として使われている。またご丁寧に駅前広場の用地まで確保されているのだから準備がよろしい。市原市の担当者も「この土地は京成千原線用地」と認める。
南半分の用地は谷になっているようで、ジャングルと化していた。そのためこの用地もどこまでで途切れているのかはよくわからない状況だ。だが、確実にそこには鉄道用地が存在し、電車がやってくるのを今日も待ち続けている。
いかがだったであろうか。不思議な用地や土木構造物を追うと、こんな鉄道計画があったのか!とドキドキワクワク、そして生々しい歴史を知ることができる1つの例が京成千原線といえるだろう。
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