生成AIで弁護士が「奪われる」仕事の具体的な内容 「弁護士がいらない社会」がついにやってくる

✎ 1〜 ✎ 100 ✎ 101 ✎ 102 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
AIは、弁護士の役割を代行することができるのか(写真:wutzkoh/PIXTA)
ChatGPTなどの生成AIは、法律関係業務に根源的な影響を与える。法的文書を作成したり、訴訟における弁護士の役割を代行することができる。これは、「弁護士がいらない社会の始まり」だ。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第101回。

インターネットを超える影響がこれから生じる

法律関連業務は、生成AIによって大きな影響を受ける分野の1つだ。

ChatGPTなどの生成AIが法律関連の仕事に及ぼす影響について解説した文献として、サフォーク大学ロースクールの学部長および法学教授であるアンドリュー・パールマンによるつぎの論文が参考になる。Andrew Perlman, "The Implications of ChatGPT for Legal Services and Society", The Practice, March/April 2023。

パールマン教授は、その影響はインターネットのそれを超えるとしている(なお、この主張を裏付けるため、この論文はChatGPTによって生成された。要約、序文、アウトラインヘッダー、エピローグ、およびプロンプトだけが人間によって書かれ、ChatGPTが人間の編集なしに残りのテキストを生成した)。

生成AIは、法律関連の以下の4つの分野で活用される可能性がある。

・法的調査:生成AIは、大量のテキストデータを迅速にスキャンし、特定のトピックに関する情報を提供する。それによって、弁護士の法的調査を支援する。

・文書作成:生成AIを使用すると、契約書などの法的文書の生成が可能となり、弁護士の作業時間を節約できる。

・一般的な法的情報の提供:生成AIは、よくある質問への回答や基本的な法的アドバイスを提供するためにも使用される。

・法的分析:生成AIは、関連する法的原則や判例に基づいた提案や洞察を提供することによって、法的分析を支援する。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事