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不眠症やがんにアプリを処方する医療の新潮流 サスメド上野太郎はデジタル治療を広げる医師

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  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
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井上:御社の技術的な強みは何でしょうか。

上野:例えば、不眠症治療用アプリのアルゴリズムを知財化しています。また、DTx (Digital Therapeutics、デジタル治療)全般に使える技術・知財として、「二重盲検法」で治験ができる技術を知財化しました。

医薬品の治験では、「二重盲検法」といって、プラセボという偽物の薬と本物の実薬を、患者さんや医師に悟られないように投与する。どちらが割り振られているかわからない状態で治験を行い、結果が出てから、初めて種明かしするんです。

バイアスがかからないように、厳密に科学的に検証するのが医薬品の治験のやり方です。これをアプリで実現しました。

また、2016年からブロックチェーンの医療利用に取り組んできたので、広範に知財を押さえることができました。具体的には「ブロックチェーン技術を臨床試験に用いる」というもので、かなり広くカバーできる特許を取得しました。

参入障壁とスイッチングコスト

井上:そういった知財が御社の競争優位に結びつくのでしょうか。

上野:そもそも、私たちが活動する医療の分野は、参入障壁が高いと思います。例えばIT企業の人たちがこういう薬事をクリアするのは非常にハードルが高いでしょうね。

しかもDTxの場合は、他社に先駆けて開発・導入することで先行者優位が得られます。

医薬品だとジェネリック薬品が出てきて、いきなりパテントクリフ(特許満了に伴い売上高が急落する崖)になってしまう。今まで飲んでいた薬をジェネリックに切り替えることに何の痛みも生じないんです。

しかし、DTxの場合は、今まで蓄積したデータを全部捨てて、新しいアプリに切り替えたいとは思わない。スイッチングコストが生じるわけですね。

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