語られない「台湾有事」ロシアの重要な立ち位置 中国に「引き摺り込まれる」可能性もある
例えば、ロシアの太平洋艦隊は、7月20日に日本海で始まった中国主導の演習に艦船と航空機を派遣。中国国防省によると、この演習は「さまざまな安全保障上のチャレンジに対処する際に、地域の平和と安定を共同で守る両国の能力を強化する」ことを目的としている。
6月下旬にはロシア海軍のフリゲート艦2隻が、台湾と日本の与那国島の間の海峡を通過した。中国の李尚福国防相は、4月にモスクワを訪問した際、プーチン大統領がロシアの太平洋艦隊について「艦隊の個々の部隊は確かにあらゆる方向の紛争に使用される可能性がある」と述べている。
プーチン政権は、ロシアが中国にとって重要なパートナーであり、インド太平洋地域にも影響力を持っていることを示したいのだろう。だが、実際にはロシアが中国に加勢する可能性は高くない。これは軍事的な問題ではなく、政治的意思の欠如によるものだ。
台湾有事はロシアにとって「いい流れ」
とはいえ、ロシアでは多くの政治アナリストが、台湾有事はロシアにとって「いい流れになる」と考えている。中国が侵攻すれば、世界の注目はウクライナから台湾に移るだろう。
特に、アメリカが台湾の防衛に時間と軍事資源を追加で割り当てなければならない場合、ウクライナに対するアメリカの支援は減少するだろうとの望みがある。西側兵器の供給が減れば、ウクライナ政府はロシアによるウクライナ領土の占領を認める和平協定の受け入れを余儀なくされる可能性がある。
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