政治主導で電力供給策を示し、独占体制解体の第一歩にせよ


 官邸は夏場の危機をにらんで、4月8日に電力需給緊急対策本部を立ち上げたが、需要対策では節電担当大臣の役職を設けさまざまな節電策が示される一方、供給対策は極めて貧弱だった。

経済産業省は、最大ピーク時の需要として5500万キロワットを想定、昨年は猛暑で6000万キロワットであったのに対し、東電の供給は4500万キロワットとし、1000万~1500万キロワットが不足するとした。そして、計画停電回避のために、最大使用電力量について大口需要家に25%、小口需要家に20%、家庭・個人に15%の削減を要請した。

だが供給策は、火力発電所の復旧、新増設、緊急設置電源の新設、地域間連系線の増強、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱など)の導入促進、分散型電源の導入促進など、お題目ばかりである。

もちろん、冷房が外気を熱する悪循環や昼間も煌々(こうこう)と電灯を灯すような生活を見直す必要はある。しかし、現下の節電号令は統制経済も同然だ。高齢化社会が進展する中で、病院や交通など公共インフラには電力が必要だ。

昨今の首都圏のように、駅や公共の場所のエスカレーターやエレベーターを停止することは、高齢者や障害者を家に閉じ込めるのに等しい。店舗やオフィス、工場にも電力使用のピークをずらす工夫は必要だが、過度の節電は需要を冷え込ませ、日本経済全体が沈む。

4月15日には、東電は5200万キロワットへの上積みが可能になったと発表し、政府はここへ来て需要抑制目標を引き下げるとした。供給力増強へ向け、東電、東北電力に対し、ガスタービン増設へ環境アセスメントが免除されるという。

一方、新規発電業者や新エネルギーを活用する具体的な数字はない。電力不足をあおるのは原発推進派が生き残るための策謀、という見方が市場関係者にはある。経産省は新規参入業者の供給力をすぐに調査し、公表すべきだ。

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