今林:実はAIのシェアリングも考えています。
自社開発のAIは大切な知財です。データを読み込ませて1つのAIモデルを作るのに何百日とかかることもある。そんなAIは他社も利用したいものです。
例えば、毒性を検知するためのAIモデルを、暗号化された状態で知財を各社に残したまま、プラットフォームにのせることができます。利用者は一定の金額を支払えば、たくさんの毒性検知ができるようになる。化合物に対して副作用など問題がないか否かチェックができたら素晴らしいと思いませんか。
AIを提供した側も、開発費を大なり小なり回収できます。これが、AIをシェアリングするという世界です。
井上:グローバル展開はいかがでしょうか。最初は金融業界のように、成果が出やすくて、世界的に広がりもある領域から始めるのでしょうか。
情報保護規制が強いほど必要とされる
今林:海外展開の一手として、欧州の大手ソフトウェア会社であるSAPさんと連携しています。
世界中で利用されているSAP、そのEPRパッケージのソフトウェアにわれわれの秘密計算ソフトウェアを入れてもらい、顧客企業に届けてもらう。「AI×秘密計算」のサービスがあれば、暗号化されたままデータ解析をすることができるので、SAPさんの顧客企業も安心です。
このビジネスモデルはそのまま、他の海外のIT関連企業にも横展開できると思います。
また、海外では個人情報保護に関する法規制であるGDPRの縛りがすごく強いので、秘匿性のある情報の連携が必要な場面でわれわれのサービスが必要とされます。クレジットカード情報、不動産や資産についての情報などはもちろん、ゲノム情報とか、医療の情報など、秘匿性のある情報であれば、どこでもビジネスチャンスがあります。
井上:膨大な情報になりますが、スピーディな情報のやりとりは可能でしょうか。
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