今林:その備えとして、ハードウェアも含めた垂直統合も考えています。イメージしているモデルがAppleなんですよ。
AppleはMacの新機種向けにM1チップやM2チップを内製し始めました。われわれも、旧・東芝メモリホールディングスのキオクシアと提携して専用ハードウェアの研究開発を始めました。データを圧縮してそれを高速に計算するには、やはり特別なハードウェアがあったほうがいい。
AIでいうエヌビディアのGPUのような高速アクセラレータを作ることができたら最高です。歴史的に見ても、AIが広まったのはエヌビディアというユニコーンのハードウェアの会社があったからです。もともとゲーミング用のハードを開発していたのですが、AIにも転用して大成功した。
パソコンもそうですよね。インテルがいるからこそ、どんどん処理スピードが上がってきた。
ハード展開は持たざる経営で
井上:ハードウェアというと、ものすごくコストがかかりそうですが、何か工夫されているのでしょうか。
今林:実はわれわれ自身がハードウェアを持つ必要はないんです。
われわれはソフトウェアの知財をパートナー企業に提供する。パートナーさんは、その卓越した技術でハードウェアを提供する。両者で共同開発しています。そして、そのハードウェアと一緒にわれわれの「AI×秘密計算」のソリューションを拡販していくんです。
いわゆる持たざる経営です。ソフトバンクが買収した半導体のアームに近いようなイメージですね。EAGLYSは、設計図だけを持つようにするんです。
井上:得意分野で貢献できるプラットフォームというのは素晴らしいですね。日本発のGAFAを目指して頑張ってください。
経営学者・井上達彦の眼
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら