小田急線の「要衝」相模大野、知られざる駅の裏側 人に例えると心臓?肝臓?商業施設が入る巨大駅
大野電車区・車掌区にも乗務員のための食堂や寝室、浴室などが備わっている。その建物は相模大野駅から南西へ一直線に延びる小田原線と、カーブを描きながら高架で越えて駅に入線してくる江ノ島線の上り線に挟まれた敷地にある。
小田急OBの生方良雄氏は著書のなかで「1929年当時、小田原線、江ノ島線ともそれぞれ片道40~60分時隔運転であったにかかわらず、小田原線と江ノ島線とを立体交差としたことは過剰投資といわれたが、戦後、どれだけ役にたったか計り知れない」(『小田急今昔物語』)とたびたび指摘している。
電車のビュースポットもある
江ノ島線の上り電車が駅に到着するときには踏切が鳴って電車の接近を知らせている。が、その踏切はフェンスに遮られた鉄道敷地内にあって関係者以外が渡ることはない。付近は小田原線・江ノ島線双方の電車が見られる格好のビュースポットのため親子連れが目立つ。地下通路を通って電車区・車掌区と行き来する乗務員の姿も子どもたちには憧れの対象かもしれない。
フェンスには大野の乗務員が作成したロマンスカーの「通過時刻表」が取り付けられていて、相模大野に停車しないロマンスカーの時刻までも知ることができる。春のダイヤ改正時に一度取り外されたが、利用客から駅に要望があって復活させたという。さらに「ホテルセンチュリー相模大野には小田原線と江ノ島線、車庫を出入りする電車が眺められる客室がある」(辻管区長)。小田急線の要衝、相模大野駅は、未来の小田急のファンとユーザーの育成にも一役買っている。
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