81歳小沢一郎、政権交代へ「最後の戦い」の現実味 立憲と維新、野党候補1本化が必要不可欠と力説
こうして、「一躍、野党の時の人となった」(立憲民主若手)小沢氏だが、多くの野党陣営幹部には、同氏に対する警戒感も根強い。同氏は1993年夏の衆院選後の8党派連立・細川政権と、2009年の政権交代選挙での民主党政権という2度の政権交代実現を主導したが、路線対立などから両政権を短期間で崩壊させたのも同氏で、「政界の壊し屋」の異名もとるからだ。
神話崩壊で「もう過去の人」との声も
今年5月に81歳となった小沢氏は「もう一度政権交代をなしとげなければ、死んでも死にきれない」と自らの心情を吐露。「終結が迫る自らの政治家人生」も意識し、遅くとも2025年夏までと見込む次期総選挙に勝負をかける考えだ。
ただ、2021年10月の前回衆院選では、初当選以来圧勝を続けてきた岩手3区で自民候補に敗北、比例復活となったため、「選挙の神様」という神話は崩壊し、「もう過去の人」との厳しい声も少なくない。
「炎暑の中のべた凪とみられている政局を、何とかかき回そうと動き出した小沢氏」(自民長老)。まさに「最後の戦い」とみられるが、その先に見据える政界の新たな構図がはたして現実味を持つのか。それともあえなく「見果てぬ夢」に終わるのか。
故田中角栄元首相の“秘蔵っ子”として27歳で中央政界にデビューしてから53年余。その間の、幾多の“大政変”で常に中心に居続けた「政界の風雲児」の小沢氏が最後に仕掛ける「日本政治大改革」だが、その結末は「現在の政界を覆うもたれあいと現状維持の濃霧」(同)に遮られ、まだまだ見えてこないのが実態だ。
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