今回のようなセットプランそのものは海外では珍しくない割引手法です。ただし、事業者側にとって手っ取り早く契約数を伸ばすものであると同時に、ともすれば、リスクが伴います。単独契約よりも当然ながら利益率は落ちる上に、一時的なキャンペーンであれば、終了後に反動で契約数が落ち込むこともあり得ます。今回のディズニープラスとHuluのセットプランは期限を設けているのかどうか明かされていないため、どんなシナリオを想定しているかは定かではありませんが、賭けに出ています。
しかも、割と本気なのかもしれません。そもそも、ウォルト・ディズニー・ジャパンと日本テレビホールディングスが昨年、戦略的協業を結んだことがきっかけとなって、実現しています。ディズニーは日本以外にも、イギリスで公共放送のチャンネル4と配信サービスの協業を進めていますから、テレビ局とのタッグは気に入っている施策のようです。目的はディズニープラスの契約数増加のためであるのは明らか。2022年末時点でディズニープラスの日本の会員数はメディア・パートナーズ・アジアの調査数字によると、340万人に伸びています。高めの成長率のまま、セットプランでさらに攻めていきたいところでしょう。
Huluに至っては、伸び悩みが続いています。アンペア・アナリシスの調査数字によると、会員数は300万人と決して低くくはありませんが、この水準からなかなか飛躍できていません。日本テレビの傘下に入る前の2011年から日本で始まった老舗の動画配信サービスとして、巻き返しを図る意味合いが大きそうです。
U-NEXTで話題作「VIVANT」見逃し視聴
価格こそ変わらないものの、U-NEXTも中身の充実度でお得感を高めています。2月23日付記事『今度は「U-NEXTとParavi」、慌ただしい業界事情』で書いた通り、その後、3月31日にU-NEXTとParaviが正式に統合したことで、6月30日からU-NEXTのサービス内にParaviが追加されています。
つまり、Paravi単独のサービスは消滅し、U-NEXTの中でTBSとテレビ東京のドラマとバラエティをラインナップしたParaviが展開されているのです。アメリカのHBOらと並んで、新しいレーベルとしてParaviが加わっています。
U-NEXTでTBSの話題のドラマ「VIVANT」の最新話などを見逃し視聴できるのが目新しく、公式再生数ランキングにバラエティ「水曜日のダウンタウン」が登場するなど、良くも悪くもTBS色が強まった印象もあります。それには訳があり、TBSと関係性が実際に強化されているからです。U-NEXTの親会社であるUSEN-NEXT HOLDINGSとTBSホールディングスは6月29日に資本業務提携を結んだことを発表しています。
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