大震災で発揮された高速バスの底力、超法規措置で大量運行を実現


国際興業では震災でキャンセルが相次いだ観光バスを盛岡向けに大量投入。輸送力は従来3台で90人程度だったが、最大で15台、500人程度まで拡大した。こうした施策もあり、30日には運行回数は震災前と同水準に達し、使用台数、輸送力ともに200%以上となった。
 
 道路状況の確認が取れ、運行が再開されると、次に直面したのは燃料不足だった。車重20トンを超えるバスの燃費は、高速道路など最も状態のよい走行でも1リットルで3キロメートル程度。450リットルの燃料タンクでは仙台までの往復800キロメートルの距離をぎりぎりこなす程度の余裕しかない。

緊急車両として優先的に給油できるはずの高速道路のサービスエリアでも「緊急車両だけで30分待ち。とてもじゃないけどお客を乗せたまま待つことはできない」(バス事業関係者)と、途中での給油をあきらめざるをえず、苦しい運行を強いられた。

日本中央バスはおひざ元の前橋でガソリンスタンドの軽油が枯渇。「被災地が優先だから躊躇はなかった」(中村稔・専務取締役)と、自社の路線バスや大阪、京都行きの高速バスを減便して、仙台へのバスを走らせ続けた。国際興業やJR東北バスも燃料集めに奔走、何とか当日分を確保する綱渡りが続いた。

被災後1週間余りでようやく燃料事情が落ち着くと、今度は現地に地盤を持たないため、運行できなかったツアーバスも運行を再開。再び競争が激化し始めている。

こうした迅速な復旧と増強について、関係者は「道路と燃料があればバスは走れる。機動性が大いに発揮できた」と口をそろえる。震災を機に災害に強い交通機関としてバスのあり方が見直される可能性も高い。

■写真:仙台の高速バス乗り場(4月4日朝)

(週刊東洋経済2001年4月16日号より)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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