テスラ、中国製次世代電池を「モデル3」に搭載か 1〜6月の世界販売は前年同期の1.6倍に増加

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M3P電池は、リン酸鉄系リチウムイオン電池の材料の組成を見直し、より高いエネルギー密度を実現したものだ。ただし、テスラとCATLはモデル3への搭載についてまだ情報を明らかにしていない。

テスラはグローバル販売台数を長期的に2000万台に引き上げることを目指しており、より低価格の新型車を製品ラインナップに加えようとしている。同社は3月1日に開催した投資家向けイベントで、技術革新を通じて次世代モデルの製造コストを50%削減すると宣言した。

この次世代モデルは、メキシコに建設する新工場で最初に生産される可能性が高い。メキシコ工場の立ち上げを指揮するのは、テスラの上級副社長を務める朱暁彤(トム・チュー)氏だ。

テスラの上海工場は同社最大の生産拠点だ(写真は同社ウェブサイトより)

同氏は中国の上海工場を着工からわずか9カ月余りで稼働させ、テスラ最大の生産拠点に育てた実績を持つ。

中国企業にメキシコ進出要請

そんな朱氏は、メキシコ工場の早期稼働に向けて中国企業の力を借りようとしている。上述の投資家向けイベントで、朱氏は次のように述べた。

本記事は「財新」の提供記事です

「メキシコ工場の立ち上げでもスピード記録を作りたい。だが、メキシコは(部品産業の厚みなど)事業環境や効率の面で中国とは比較にならない。そこでテスラは、工場建設や車両生産をサポートしてもらうため、中国の部品メーカーなどにメキシコ進出を要請している」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月3日

財新 Biz&Tech

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