ヤマト、なぜ値上げをスローダウンするのか チラつく"あの会社"の影

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JPは親会社である日本郵政が今秋に東証上場を予定しており、投資家へ成長戦略をアピールするため、運輸市場でのシェア向上に躍起だ。

山内社長は「(JPは)新しいサービスの投入など、上場までにいろいろな打ち上げをしてくるだろう。ただ当社は、ラストワンマイルの受け取り手側へのサービス(の内容・品質)が圧倒的に異なり、体制も違う。競争は強まるだろうが、当社はこれまでのサービスをきっちり提供していく」と自信を見せる。

価格交渉はやめないが、ゆっくりに

今後の焦点は、第1にこのJPの低価格攻勢に対する価格戦略だ。

山内社長は「小口顧客はほぼ交渉が完了した。大口法人はまだ交渉を継続している。コストに見合った料金の適正収受は続けていく」と、引き続き値上げを模索する姿勢を見せたが、芝﨑健一常務執行役は「単価の適正化は少しゆっくりやっていく。いたずらに急いで、必要以上に進めていくことはしない」と明らかにした。

もちろん前期で値上げが一定部分、浸透した面もあるが、低価格戦略で挑んでくるJPへの対策上、大胆かつ積極的な値上げ実施は、難しくなりつつあるようだ。「交渉をやめる訳ではないが、ゆっくりお話しながら、きっちり上げていく作戦で対応している」(芝﨑常務執行役)。

第2の焦点は、新商品の動向だ。ヤマトHDは信書混在リスクを回避するため、個人向けのクロネコメール便の取り扱いを廃止し、法人向けは4月から移行商品の「クロネコDM便」を開始した。同様にEコマース市場への対応強化を狙い、専用ボックスを用いた小型の宅急便「宅急便コンパクト」と、A4サイズで個人宅のポストへ投函できるサービス「ネコポス」を開始した。

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