東武新型特急「スペーシアX」知られざる開発の裏 参考にしたのはあの会社のあの列車だった

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ーー製造途中のスペーシアXを見学したとき、以前の工場内の見学では製造中の他社の車両は絶対撮影しないよう厳しく注意されたことがあったので、もっとピリピリした感じがあると思いましたが、そんなことはないのですね。

「車両メーカーさんの事情もあると思います」

ーー確かに、海外の車両も造りますから、メーカーもいろいろ気を使うことがありそうですね。でも、鉄道会社レベルでは情報が結構オープンに。

「乗っただけではわからないところ、カフェのスタッフのオペレーションや、揺れる電車の中でどう商品を提供するかといった内側の話もいろいろうかがいました」

ーー特に参考になった車両や会社は?

「近鉄さんには特にお世話になりました。近鉄さんは、ウチと同じ2時間程度走る特急が多くて『しまかぜ』はカフェ付きの観光特急として、『ひのとり』もプレミアムシートの参考になりました」

清掃はどうする?

ーーほかにはどんな車両を?

「JR九州さんの『ふたつ星4047』も乗車させていただきました。私は日程が合わずに試乗できず、くやしい思いをしたのですが(笑)」

ーーさまざまな鉄道会社の観光特急のノウハウが込められた特急車両なのですね。

「そうですね。いろんな会社の方の協力があってできあがった車両です。だから私たちも試乗会に同業他社の方をたくさんお呼びしていますし、他社さんで観光特急を造ることがあったら、今回私たちが得たノウハウをお伝えしようと思います」

スペーシアXの清掃員を募集するポスター(筆者撮影)

ーー先日、新栃木の駅でスペーシアXの清掃員を募集するポスターを見たのですが、清掃員は専属なのですか?

「乗務員は専属となりますが、清掃員はスペーシアやリバティなどの特急車両のほか、駅構内も清掃します」

ーー発表されている時刻表を見たらスペーシアX4号の浅草到着時刻が13時45分。折り返しのスペーシアX7号の浅草出発時刻は14時ちょうど。15分しか時間がありませんが、大丈夫ですか?

「カフェカウンターのあるコックピットラウンジ、最大7人で利用できる個室のコックピットスイート、4人個室のコンパートメントなど、多彩なシートバリエーションがありますが、春頃からデビューへ向けて清掃スタッフは限られた時間内で車内整備を終えることを目指し、実車での訓練を重ね、動きを体に覚えさせてきました。今後もより短時間でお客さまをお迎えできるよう継続してブラッシュアップしていきます」

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