東武東上線の上板橋、新「準急停車駅」の潜在力 「各停しかない区間」で躍進、駅前に再開発計画
上板橋駅は2面4線のホームに橋上駅舎がある。2022年度1日平均の乗降人員は4万5028人。池袋―成増間の途中駅(北池袋から下赤塚までの8駅)では隣駅の東武練馬(5万2134人)に次いで多く、大山(4万4307人)をやや上回る。
北口は「蒙古タンメン中本」の上板橋本店があることで有名。上り線のホームからも何人くらい並んでいるかが事前に確認できそうだ。道路を挟んだ西側の集合住宅「上板橋ハウス」の一角には東武ストアの本社がある。建物が完成した1971年にオープンした上板橋店があった場所で、現在は店舗の営業はなく事務所のみとなっている。
周辺の公共施設としては、プラネタリウムを備えた板橋区立教育科学館のほか、最近では中央図書館にイタリアのボローニャから寄贈された絵本を中心に約3万冊を収蔵する「いたばしボローニャ絵本館」が誕生。地元は「絵本のまち板橋」をアピールしている。
準急停車で何が変わった?
上板橋の齋藤博明駅長は2022年11月に就任。半年もたたないうちにダイヤ改正の日を迎えた。電車に乗って池袋へ出かける地元の人が増えたといい「とくに初めの1週間ほどは『普段電車に乗らないけど準急が停まるようになったので行ってみようか』と“準急フィーバー”のような雰囲気で、改札前で待ち合わせる光景が見られた」と明かす。当日朝、始発の池袋行き準急に乗ろうとする家族連れが何組かいて、記念撮影をしていたという。
齋藤駅長は「これまでは各停を降りると改札を出る人ばかりなのでホームは空っぽになっていたが、乗り換えのためにホームで電車を待つ人が増え、駅の風景が変わった。窓口でも『池袋に早く行けるようになってよかった』と声をかける年配の方がいて、地元の方に喜んでもらえているという実感がある」と語る。
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