コンビニ加盟店オーナーは経営者か労働者か ファミマに対して都労委が救済命令

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兵庫県でファミリーマートのお店を営む酒井孝典さん。ファミリーマート加盟店ユニオンの執行委員長も務める

「私たち加盟者は、再契約をしてもらえなければ家族単位で職を失う。本部が1店失うのとはまったく重みが違う。それなのに“対等の事業者”であるというならば、対等の意味をはき違えている」。4月16日に東京都労働委員会(都労委)が救済命令を交付したことを受け、岡山県でファミリーマートを家族で営む岡崎佳奈さん(ファミリーマート加盟店ユニオン書記長)は、切に訴えた。

ファミマの基本的な契約期間は10年。その後も加盟を希望するオーナーは、再契約をする必要がある。ただ、ユニオンによるとその基準は明らかにされておらず、ファミマ側が「総合的に勘案し、その自由な判断により」再契約の可否を決められるとされていた。そこで岡崎さんら加盟店側が基準の明確化を求めてファミマ本部との団体交渉を要求し、今回の争いが始まったのだ。

都労委、「団体交渉を拒否してはならない」

東京都労働委員会の救済命令を受けて会見するファミリーマート加盟店ユニオンの岡崎佳奈さん(左)と酒井孝典さん(右)

争点となったのは、「オーナーは労働組合法上の労働者にあたるかどうか」。労働者であれば団体交渉ができるようになるが、コンビニ業界で一般的にオーナーは「独立した事業主」としてみなされ、「オーナー同士が集まることを極端に嫌う」(都内のファミマオーナー)。メンバーは20にも満たないが、ユニオンが結成されたあとも、ファミマはあくまで一人ひとりのオーナーと、個別に問題を解決するとの姿勢を取ってきた。

両者は2年以上をかけて、互いの主張を繰り広げてきたが、今回、都労委は「加盟者は、労働組合法上の労働者に当たる」と判断し「(ファミマは)団体交渉を拒否してはならず、速やかに、かつ、誠実に応じなければならない」とした。労働者とする根拠について都労委は、加盟者がファミマの事業遂行に不可欠な労働力として組織内に組み入れられていることや、加盟者はファミマからの業務依頼に応ずべき関係にあることなどを挙げている。

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