M&Aについては「これまで通り検討する。地域の補完が理想的だ」(鶴羽社長)と語る。現在、北海道、東北、関東甲信越に集中するツルハHDの店舗網を考えると、北陸地盤のクスリのアオキHDや、中部基盤のスギドラッグの店舗網が空白地帯と重なってくる。
買収相手の条件としては「コスト感覚など価値観が合うか、企業価値を高めるシナジーが出せるかなども重視する。大手同士の統合はそれなりにシナジーが出ると思うが、商品構成比などが違うから一概には言えない」(鶴羽社長)と慎重だ。
もしオアシスの株主提案が可決されて経営体制が変更された場合、ツルハHDの同族経営は変革を迫られることになる。イオン子会社で業界最大手のウエルシアHDとの経営統合となれば、創業家の存在感が薄まることは避けられないだろう。
オーバーストア状態で出店を厳格化
ドラッグストア業界は出店競争が過熱し、ツルハHDの主戦場である郊外店を中心に客の奪い合いが激化している。オーバーストア状態で採算性低下が指摘される中、ツルハHDは2025年5月期に向けて「収益力改善」を最優先課題に掲げる。
不採算店舗の撤退や好採算のPB(プライベートブランド)の売上構成比を増やしたことで、前2023年5月期の営業利益は前期比12.3%増の455億円となった。コロナ特需に沸いた2021年5月期の483億円には届かないものの改善傾向にある。今2024年5月期は出店126を計画し、2022年5月期の出店159から厳格化している。
M&Aによる規模拡大で業界2位へとのし上がってきたツルハHDだが、売上高1兆円間近にしてオアシスと対峙することになった。株主提案にどう対応するのか、ツルハHDの一手に注目される。
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