我慢を続け「最後にキレる人」が評価を下げる必然 言いにくいことをハッキリ言う作法

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礼儀正しく穏やかなことと、不満をその都度的確に表明することは、見事に両立する。

日本人の傾向に関して、海外でよく耳にする点が、「不満があるのに、それを表明するのはみっともないという思いから、耐えて耐えて耐えて最後に爆発的にキレる」だ。

私も日本の地方都市生まれ。そういう傾向を持っていたが、海外で仕事を始めると、このスタイルは本当にまずいと思い直した。なぜなら、海外では「耐えて耐えて耐えている」ところはほとんど理解されないからだ。それどころか何も言わないことは、「納得しているんだね」と思われる。

そして、日本人が我慢の限界で突如キレると、海外の人は驚く。耐えていたことに評価どころか不信感さえ抱き、キレるところに人間としての安定性のなさを見つけ、その日本人の評価は下がる。

不満は最初から、表明すべきだ。その時に気をつけるのは、「穏やかに」「トーンを変えず」「堂々と」「理路整然と」表明すること。これを守れば、不満を口にしても、礼儀正しく穏やかな印象は全く損なわない。

相手を踊らせて正面対決を避けろ

アホとは戦うなという私だが、自分の目標のためには戦わないといけない時が来たら全力で戦わざるを得ない。

つい数年前だが、実は私は仕事上、やむをえず戦ったことがある。もちろん戦うことはできるだけ避けてきた。戦うにしても「戦わずして勝つ」のが最上の策で、相手もこちらも疲弊させず傷つけず、自分の目的を達成できればそれにこしたことはないと確信してきた。そのために全力を尽くした。戦わずにあらゆる策を使い、相手の目的とこちらの目的を合致させWIN―WINに導こうとした。しかし、相手の目的がこちらの認識とは違ったのか? 相手がこちらと戦う決断をしたのか? 理由は定かではないが、あらゆる手段を尽くしても、戦うしか選択は残されていないという結論に至った。

ここから私は「戦い」の準備に入った。完璧に勝つためである。まずは「怒り」を消すこと。怒りは間違いなく判断を誤らせ自らを弱める。感情的になった人間についていく人は少ない。淡々とことを進めるのみだ。「怒り」がコントロールできないうちは行動を起こしてはいけない。

まずはこちらの戦意や戦力はひた隠しにした。こちらが戦う意思がなく戦闘能力も欠けているという印象を持たせるために奮闘した。相手は油断を始めた。手強い相手だが調子に乗ってきたのだ。次に、調子に乗せたうえで相手の戦力を削いでいった。相手陣営への調略を尽くして、相手の信用を落とし相手の戦力や同盟(仲間)を削いでいった。相手も完全に油断をしていたので順調にいった。

次ページ相手が弱まり、失敗をする機会をひたすら耐えて待つ
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