破綻の暗号資産交換所FTXでくすぶる返金問題 「返還対象外」とされた顧客資産は10億円超

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FTXは2022年春、日本の交換所の「QUOINE」(コイン)を傘下に持つリキッドグループを買収。QUOINEを社名変更し、同年6月からFTXジャパンとしてサービスを開始した。日本市場参入に伴い、FTXは日本人ユーザーの扱いをFTXジャパンに一本化した。

海外のFTXを利用していたヨーロピアン氏は、これを機にFTXジャパンのサービスに乗り換えることにした。海外のFTXと比べて売買が可能な暗号資産の種類が減るなど、PCのウェブやモバイルアプリは日本仕様に変更されたという。

ヨーロピアン氏はPC用ウェブサイトとモバイルアプリの双方で、本人確認手続きを再度行った。「日本の法令に従って本人確認をしてください」との連絡を受けたからだ。アプリでは出金について問い合わせし、FTXジャパンと名乗る担当者とやりとりもした。

しかし、ヨーロピアン氏がアプリ上で管理していた口座の資産は、返還の対象外になっている。「当社が提供していない他のサービスで保有されていた資産」というのがその理由だ。

日本法人の管理外だったアプリ

FTXジャパンが返還対象としているのは、本人確認手続きと審査を経て同社に開設された口座にある資産。一方、海外のFTX口座は、「当社が提供していない他のサービスで保有されていた資産」であり、返還対象外としている。

モバイルアプリ上の口座の扱いも同様だ。「FTX Japan モバイルアプリ」を経由してFTXジャパンに開設した口座の資産は返還の対象。FTXジャパンのサービス開始前にモバイルアプリで作った口座の資産は返還の対象外となる。

ただし、海外のFTXからの「乗り換え組」でも一定の手続きを経ていれば、FTXジャパンが管理する口座になった。「FTX Japan モバイルアプリ」上で口座統合の手続きをし、本人確認手続きを行ってFTXジャパンに口座が開設されていたら、条件を満たせた。

話をややこしくしているのは、アプリの運営主体がFTX子会社の「Blockfolio」(ブロックフォリオ)だったことだ。海外のFTXは2020年に資産管理アプリを運営していたブロックフォリオを買収。その後、ブロックフォリオが運営していたアプリを「FTX App」に名称変更し、顧客に提供していた。

この「FTX App」を経由して口座を開設すると「Blockfolio口座」として扱われた。海外のFTXのサービスを利用するのは同じだが、PCサイトで開設する「FTX.com口座」とは別管理だった。加えて、FTXが日本人ユーザーの扱いをFTXジャパンに一本化する際、ブロックフォリオのサービスは移管されなかった。

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