「仮想通貨大暴落」3つの要因から予測する未来図 投資するなら千載一遇のチャンスと見ていいのか

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FTX
FTXの経営破綻は市場関係者を驚かせた(写真:Andrey-Rudakov/Bloomberg)
暗号資産(仮想通貨)の価格が暴落している――そんなニュースがメディアで連日報道されている。新型コロナウイルスの蔓延によって、巣ごもり需要が増えたことがあり、ここ数年、仮想通貨は軒並み新高値を更新してきた。それが2022年に入ってから、仮想通貨市場特有のさまざまな問題が発生して大きく下落している。とりわけドルベースでの下落が目立ち、たとえばビットコインは最高値から8割近くも下落してしまった。
仮想通貨の大暴落は、なぜ起きたのか……。市場全体の衰退を意味するものなのか……。それとも投資の絶好のチャンスなのか……。仮想通貨を支えるブロックチェーン技術の将来性も含めて、もう一度、その未来について考えてみたい。

金利引き上げ、FTX経営破綻など、負の連鎖?

ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は、これまで安定した値上がり相場を形成してきた。とりわけビットコインの2020年以降の価格上昇は、驚異的なものがあった。ドルベースで見てみよう。2020年1月5日には1ビットコイン(BTC)=8000ドル台から2021年11月7日には6万4000ドル台に急騰。円ベースでも2020年1月3日の79万円から2021年11月12日には733万円の最高値をつけている。円ベースではわずか2年足らずの間に、約10倍近くになったわけだ。

しかしその後、2022年に入ると様相は一変する。ドルベースでは、年初には5万ドル台だったのが2022年11月21日には1万5700ドル台まで下落。現在(12月20日)は1万6700ドル台をキープしているが、77%の暴落だったと報道されている(ウォール・ストリート・ジャーナル「暗号資産、投資家消えてもシステミック危機続く」11月24日配信)。

円ベースでは、円安の影響を受けてドルベースほどの下落は見せていないが、現在(12月20日)、1ビットコイン=226万円にまで下落している。円ベースでも3分の1近い価格に下落したわけだ。

そこまで大きく下落した原因は何なのか。各種報道などを整理すると、その背景には以下の3つの大きな要因があるようだ。

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