「日経テレ東大学」終了、物言う株主が噛みついた! 「30億円の事業価値だった」とテレ東に株主提案
「ビジネス系のチャンネルで100万登録で再生数がけっこうあるのはすごい価値。僕は1億円でも買いますよ。5億円出しても買いたい人はぜんぜんいると思うんですよね。それを潰すのはテレビ東京の価値を毀損させていると思うので、物言う株主の人たちは頑張っていただければ」
自身のYouTubeチャンネルでそう呼びかけていたのは、実業家の西村博之氏。2ちゃんねる創設者の「ひろゆき」として知られる。その声に応じたのかは不明だが、テレビ東京ホールディングス(HD)に物言う株主が株主提案を行った。同社が5月11日に公表した。
テレビ東京は民放の在京キー局5位。HDは約32%の株を持つ日本経済新聞社が筆頭株主で、東証プライム市場に上場している。株主提案をしたのは、香港の投資会社であるリム・アドバイザーズだ。リムはテレ東HD株を約1%保有しているとみられる。
リムの株主提案は6月に開かれる定時株主総会に向けられたもの。目を引くのは、日経新聞とテレ東HDの子会社が共同で運営していたYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の終了を問題視している点だ。ひろゆき氏が「ビジネス系のチャンネルで100万登録」「僕は1億円でも買いますよ」と言っていたのが、この日経テレ東大学だ。
今年3月にあっけなく終了
2021年3月に始まった日経テレ東大学は、『家、ついて行ってイイですか?』などの人気番組を手がけたテレ東のプロデューサーが制作を統括。「本格的な経済を、もっとたのしく学ぶ」をコンセプトとしつつも、ひろゆき氏やイェール大学助教授の成田悠輔氏の雑談など自由な作りが受けた。
ところが今年3月、突如として番組は終了する。日経新聞とテレ東HDの「共同事業契約が満了したことで日経テレ東大学も終了」というのが公式アナウンスだった。
100万人のチャンネル登録者数を抱える人気コンテンツだっただけに波紋を呼ぶ。
訴訟を複数抱えるひろゆき氏や、元日経新聞記者でフリーで活躍する後藤達也氏の出演を、日経新聞の幹部が問題視したと「週刊文春」などが報じた。制作を統括していたプロデューサーがテレ東を退社したことも、このような見方に拍車をかけた。
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