コスモVS旧村上ファンド、株主総会前に過激応酬 異例の買収防衛策は「票が割れる可能性」も

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その後、村上氏の長女・絢氏がコスモのIR担当者に電話をかけ、「売り出される株は自社で買い取ったほうがいい」と助言した。だが、結局2022年3月にファンド保有株は全株売り出され、コスモ株は暴落する。これを見た絢氏は、「経営陣は何も考えていないと思い、投資を始めた」という。

その後、4月15日に村上世彰氏からコスモへ電話で面談の申し入れがあった。コスモの発表によれば、村上氏らは20%以上のコスモ株を取得する意思がないことを伝え、しばらくは企業価値向上に向けた対話が水面下で進んでいたようだ。

反対する場合は役員を落選させる

局面が大きく変わったのは11月18日の面談だった。コスモの山田社長は、「この日、絢氏らから突然30%買いたいという話があり、最後はほぼ一方的に買い増す、と宣言された」と話す。

ここから話がさらにこじれていく。コスモ側の発表によれば、11月25日の面談で村上氏は株を30%保有しない代わりに村上氏の推薦する人物を取締役候補とすることを求め、これに指名・報酬委員会が反対する場合は「プロキシーファイト(委任状争奪戦)で当該委員会の役員を落選させる」「30%の株を取得する」などと主張したとする。

一方、シティ側から見ると、様相は異なるという。東洋経済の取材に応じた絢氏が言う。

「11月25日の朝食会のやり取りが切り取られて(コスモ側に)公表されている。(出席した)世彰が言いたかったのは、10年後、20年後のコスモのあり方、石油業界のあるべき姿をきっちり議論できる社外取締役を入れるべきだという話だった。熱くなった場面もあったが、われわれの真意は伝わったと思っていた」

「株買い増し」の発言については、「転換社債の一部を買い入れて株式転換したが、それによって発行済み株式がまた増えた。増えた分は自己株買いをしてくださいとギリギリまで議論したが、やってくれないので20%以上買わせていただきますと話をしたら、(2023年1月に)買収防衛策を発表された」(絢氏)と言う。

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