「らくらくホン」のスマホメーカー突如破綻の深層 急激な円安が打撃、残る日本勢は2社のみに
この割引規制が遠因となり、中国国内に大きな事業基盤を持つ、すなわち価格競争力の高い中国メーカーが、日本の携帯電話事業者のラインナップに増加。国内スマートフォンメーカーを一段と苦しめる一因にもなった。
過度な端末割引は日本のスマートフォン市場の歪みととらえることもできたが、官が介入して一気に環境を変えてしまうと、その皺寄せはどこかに偏るものだ。
前述の総務省の施策導入後、各携帯電話事業者自身による低価格プランの誕生やMVNO(仮想移動体通信事業者)同士の価格競争、事業者乗り換えの促進により、総務省の目的はある程度達成されたと言える。もっともその裏で、スマートフォン端末の個人向け小売りにおける影響は甚大だ。
割引額の上限引き上げも議論されるが…
総務省の有識者会議では目下、この割引額の上限を4万円に引き上げる方向で議論が進んでいる。
割引上限が現状の2倍に引き上げられれば、また競争環境にも変化が生まれるだろう。円安や部品原価の上昇といった懸念要素は残るが、国内市場向けに注力するAQUOSはもちろん、ヨーロッパやアジア市場に展開しながらも、日本国内が主戦場となってきているXperiaにとってはプラス要因だ。
しかし”官による市場環境変化”が幾度となく起きるのであれば、事業継続へのモチベーションは下がらざるをえない。国内のスマホメーカーにとって、視界の晴れない状況はこの先も続きそうだ。
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