大公開!これが「天皇の料理番」の実像だ 園遊会の黒子と知られざる皇室「専用牧場」

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園遊会は、平たく言えば両陛下主催のガーデンパーティーだ。春の空の下で約3時間、おいしい料理を食べて、飲んで、語り合う。実際はそれほど堅苦しいものではない。決まりごともあまりなく、ドレスコードもモーニングや紋付羽織袴から背広と、かなり緩やか。制服ももちろんOKで、警察官や消防士の制服姿も目にする。女性はデイドレス、白襟紋付または訪問着などとあり、日中の屋外だけにきらびやかなフォーマルドレスなどは、かえって浮いてしまう。

招待客は午後1時頃から会場の赤坂御苑に入ることができ、新緑の庭園を思い思いに散策。雅楽や吹奏楽の生演奏を聞いたり、用意された軽食や飲み物をいただいたり。両陛下をはじめ、皇族が会場を回って一人ひとりに声を掛けられるのは、途中の1時間ほどだ。

一人ひとりといっても、招待者は約2000人もいるので、実際にお話ができるのはその中の100人から多くても200人だろう。そして、皇族がお帰りになった後も会場は午後4時ごろまで開いているので、再び食事や散策を楽しむというのがだいたいの流れだ。

皇室の食事を一手に引き受ける「宮内庁大膳課」

園遊会で出される料理の指揮を執るのが、宮内庁大膳課だ。国家公務員の組織で、一般公募はしておらず、欠員が出ると補充される。現職や関係者などの推薦により受けて入るそうだ。

TBSテレビ『日曜劇場 天皇の料理番』は4月26日(日)よる9時スタート。 60周年特別企画の主人公・秋山徳蔵を佐藤健さん(右)が演じます

普段は「和食」「洋食」などの係に分かれ、それぞれが専門の料理を担当している。ただ、園遊会のような行事があると係を越えて助け合い、有名ホテルの厨房にも協力を要請することもあるという。TBS報道局で宮内庁を担当していた記者によれば、事務所はとてもシンプルで清潔な印象。「天皇陛下はぜいたくなものを食べていらっしゃるのでは?」と思う人がいるかもしれないが、実際はご馳走ではなく、ごくごく普通の料理を食べていらっしゃるという。

そんな宮内庁大膳課が園遊会に用意するメニューは毎回ほぼ同じで、4月21日の献立は「オードブル、サンドイッチ、ちまき鮨、海苔巻鮨、ジンギスカン、焼鳥、御料牧場生産品(ソーセージなど)、フルーツカクテル、洋菓子、クッキー、つまみ物」。飲み物は「日本酒、ウイスキー、ビール、ポンチ、オレンジジュース、紅茶、日本茶、ウーロン茶」だった。

赤坂御苑の池の回り数カ所に模擬店のようなテントが張られ、そこで食べたいものを自由に取っていただくスタイルだ。さすがにテントを渡り歩いてガツガツ食べまくる人はあまりいないが、唯一行列ができるテントがある。各界の功労者や有識者が並んでも食べたいもの、それは……ジンギスカンだ。

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