カエル騒動も…異物混入で生き残る企業の共通点 混入ゼロにはできない中、問われる対応力

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異物混入は、どんなに衛生管理に対して配慮していても、ゼロにすることはできないし、店舗の多い大手の飲食チェーンになると、発生確率は低くとも、発見される件数はどうしても多くなるし、メディア等でも大きく報道されてしまう傾向がある。

また、異物混入といっても、安全性に影響するものとしないものがあるが、安全性以上に、主観的な「気持ち悪さ」が先立ってしまい、実際の問題の深刻さと、世の中の話題の大きさがズレていることも多い。

だからと言って、企業側からは「大きな問題ではない」といったことを言ってしまうと、大きく炎上してしまうことになる。

異物混入の影響で企業が消滅した事例も

異物混入によって、企業が消滅してしまったケースもある。

2013年12月に、株式会社アクリフーズで起きた農薬混入事件それである。同社の群馬工場製造の冷凍食品に農薬のマラチオンが混入されたが、発覚後に自主回収(リコール)が実施され、翌年の2014年1月に同社で勤務していた契約社員の男が犯人として逮捕された。

事件発覚当初のアクリフーズ社からなされた健康への影響に関する説明が、過小評価であったことを厚生労働省から指摘され、企業側が誤っていたと謝罪・訂正するという事態が発生している。

また、この事件とは別に、同時期のアクリフーズ社の商品から、製造ラインでは使用されていない異物の混入も起こっており、それらの事実を同社が隠蔽していたことも発覚している。

健康に悪影響を及ぼす事態に加えて、内部に犯人がいたという点で深刻な問題であったが、上記のような対応の甘さや、別の異物混入事件で隠蔽を行ったという問題行為によって、企業の信頼性がさらに揺らぐ結果になってしまった。

アクリフーズ社は、事件の翌年の2014年4月1日に、マルハニチロ水産に吸収合併された(マルハニチロ水産はその後、マルハニチロに社名変更された)。

事態の深刻さと、企業側の対応の不手際によって企業が消滅してしまうに至ったのである。

一方で、異物混入が起きたにもかかわらず、信頼回復を果たし、事件前よりも業績を向上させた事例もある。

続いて、そうした事例を見ていきたい。

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