新幹線「特大荷物」持ち込みを予約制にした狙い 収納「コーナー」と専用の指定席を合わせて販売

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特大荷物コーナーと特大荷物スペースの違いは、収納できる荷物のサイズの違いだ。「コーナー」は上下2段に分かれており、上段は3辺の長さがそれぞれ80cm以内×60cm以内×50cm以内、下段が3辺の長さがそれぞれ80cm以内×60cm以内×40cm以内となっている。一方、「スペース」は3辺合計250cm以内なら問題ない。「特大荷物コーナーつき座席」は四角い形の大きな荷物、「特大荷物スペースつき座席」はイレギュラーな形の大きな荷物に適しているといえる。

予約なしで持ち込める荷物でも、これらのスペースやコーナーは利用できる。ベビーカーは予約不要とはいえ、荷棚には上げにくい。専用の袋やケースに収納した競技用自転車などのスポーツ用品もかなりかさばる。そういった荷物も予約をすることで、収納場所を安心して確保できるというメリットがある。

JR東日本は予約サービス導入する?

一方、JR東日本(と北海道・JR西日本の北陸新幹線)の新幹線車内には、もとから大きな手荷物を置くためのスペースがあることが多い。このあたり、JR東海などの新幹線とは異なる状況だ。JR東日本は、荷物置き場の予約を必要とするサービスは現在のところ検討していないという。

E8系 車内荷物置き場
車内に荷物置き場のある山形新幹線の新型車両E8系(撮影:尾形文繁)

東海道・山陽新幹線は、コロナ禍前には多くの訪日外国人観光客やビジネスパーソンなどで常に混雑していた。最近は利用者数も回復しており、東海道新幹線は今年のゴールデンウィークにはコロナ前を上回る利用状況になっている。座席を減らして荷物置場を設置することはなかなか難しい。

「特大荷物コーナーつき座席」や「特大荷物スペースつき座席」は、予約は必要なものの追加料金はかからない。従来は、大型の荷物を持ち込んだ際に置き場所が確保できるかどうか不安になる人も少なからずいたのではないだろうか。そんな中でこれらのサービスは、安心して手回り品を持ち込めるようになることで、乗客にとってメリットがあるといえるだろう。

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小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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