遂に決勝「THE SECOND」、M-1と大きく異なる点 ブレイクできなかった芸人に大きなチャンスを

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今大会は、予選の段階からネット上で「後攻有利」との見方が強かった。ただ、「ノックアウトステージ16→8」のもようを見る限り、個人的には妥当の評価だと感じる。

もちろん笑いの量が変わらなければ、当然後攻の印象が残りやすい。しかし、後攻以上の笑いをとれば先攻でも勝ち上がっている。「マシンガンズ(先攻)vsランジャタイ(後攻)」の結果を見ても、人気や知名度に左右されていないことは明らかだ。この点においては、非常にフェアな審査結果でむしろ驚いた。

大会アンバサダーには松本人志が就任

他方、松本人志が大会のアンバサダーとなり、ネット上では賛否が巻き起こった。「M-1」「キングオブコント」で審査員を担当し、『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)でチェアマンを務めるなど、お笑いの一大イベントが軒並み“松本ブランド”によって成立しているからだろう。

たしかにTHE SECONDを“M-1とは違う大会”にしたいのなら、アンバサダーとはいえ松本に頼らない開催が望ましい。しかし、松本に代わる“大会の顔”となる芸人がいるかと言えば、なかなか浮かばないのが難しいところだ。

いずれにしろ、アンバサダーの発表によって大会の注目度が高まったことは間違いない。初開催となるTHE SECONDで、ファイナリスト8組がどんな戦いを繰り広げるのか。当日の決戦に注目したい。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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