遂に決勝「THE SECOND」、M-1と大きく異なる点 ブレイクできなかった芸人に大きなチャンスを

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284点の囲碁将棋は、文田大介が小気味よいボケを繰り出し、これに相方の根建太一が抑揚のある声色でツッコんでいく。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のドッキリ企画によって根建のリアクションの面白さが広く知られたためか、ツッコミで笑いが起きやすくなっている印象を受けた。

囲碁将棋(写真:THE SECOND公式サイトより引用)

そのほか、スピードワゴンやテンダラーはベテランらしい味のある漫才で勝ち上がった。金属バットは日常のモチーフを飛躍させるネタ、超新塾は息の合ったショートネタをつなげて決勝進出を決めた。

スピードワゴン(写真:THE SECOND公式サイトより引用)

まだ大会の色がついていない意味では、2000年代のM-1を彷彿とさせる。

2000年代のM-1も彷彿とさせる

メンバー5人の超新塾は2006年のM-1決勝に登場したザ・プラン9が脳裏をよぎったし、マシンガンズと超新塾の2組が小道具を使ってネタを披露したことも新鮮に映った。

超新塾(写真:THE SECOND公式サイトより引用)

M-1も同様に人数や小道具の使用に規定はないのだが、例えば2002年の大会でギターを使ったテツandトモが審査員のダウンタウン・松本人志から「これ(を)漫才ととるかっていうトコですよね」と65点の低評価を受けたこともあり、暗黙の了解で楽器・小道具を用いない“話芸の大会”というイメージができていったと考えられる。

THE SECONDが同じ方向に進むかはさておき、超新塾のショートネタは非常に精度が高いため、シンプルに笑いの量で評価されるとしたら上位に食い込む可能性も十分ある。優勝すれば、漫才の大会に風穴を開けることになるだろう。

また、マシンガンズはベテランらしく客の反応をうかがいながら、うまくネタに入って笑わせた印象が強い。まだ6分尺の正しい使い方が見えていない中で、2人が勝ち上がっていくとすれば余裕のあるスタイルが一つの定番となっていくかもしれない。

これに対して、金属バットや三四郎、囲碁将棋といった中堅が優勝すれば、やはり「M-1の延長戦」というイメージが色濃くなるだろう。決勝トーナメントは3回勝ち抜く必要がある。ネタ数や経験値はベテラン優勢だろうが、ネタ3本をやり切るパフォーマンスの部分では、より若い芸人のほうにアドバンテージがありそうだ。

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