Superflyが誇りと言い切る「田舎者であること」 コロナ禍で明確になった彼女が"歌う意味"

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今年の2月25日に志帆さんは30代ラストイヤーを迎えた。「でも気持ちは40代に突入しているかもしれない」と話すなど、新たなステップを踏み出すにあたり、目指すべき方向性は明確だ。

「繰り返しになるんですけど、田舎者でありたいという(笑)。その足場を大切にしていきたいという思いが強いですね。現在も都内にいながら、田舎の静かな場所に引っ越しをしたんです。田舎の空気感と都会の空気感を両方感じられるハイブリッドな環境を作り出しながら、そこで自分自身が成長して、大切なことを再発見できればと思います」

今回のアルバム制作は、田舎で新しく作った自分だけのスタジオで行われた。以前とは違うリラックスした環境で、高い集中力を発揮して作業に取り組むことができた。

「特別な環境下で、歌詞作りや慣れないエッセイの執筆、そしてボイストレーニングにも励みました。そういった生活の中で、成長を実感する瞬間もありましたね。歌に対してもコントロールできるようになり、歌への愛情も深まった。刺激とリラックスとが、行ったり、来たりをうまく変換できるようになったんです」

志帆さんが思う「かっこいい大人」とは

Superflyという名前は、アメリカ英語のスラングで"超かっこいい"を意味する言葉だ。

最後に聞いてみた、志帆さんが思う「かっこいい大人」とは。

(写真:長田慶)

「かっこいい大人、かっこいい大人……。いろいろ考えますけど、 “無邪気な人”じゃないですか。今を無邪気にいろんなことを楽しめたり、頑張れたりする。そういう人は、きっと自分のことを誰かと比べたりせずに、自分の世界の中で無邪気に楽しめる。そんな大人がかっこいいと思いますね。自分はそんな大人になったのかな、どうでしょう。答えはわかりませんが、でもなりたいなと思いますね」

『愛をこめて花束を』から15年が経ち、Superfly・越智志帆の音楽は、変化する時代の中でも独自の輝きを放ち続けている。そんな彼女が歩んできた日々を、“超かっこいい”(Superfly) と表現せずにはいられない。

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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