Superflyが誇りと言い切る「田舎者であること」 コロナ禍で明確になった彼女が"歌う意味"
トレンドの移り変わりがますます激しいエンターテインメント業界。その中で一人のアーティストが活動休止し、その中での自己探求を通じて、自身にとって大切なものを見いだしていた。
そのアーティストは、Superfly。2007年4月に日本の音楽シーンに突如現れた女性シンガーソングライター、越智志帆のソロプロジェクトだ。『愛をこめて花束を』『タマシイレボリューション』など、パワフルでソウルフルな歌声と高揚感のある楽曲で人々を魅了。日本を代表する女性ボーカリストの一人となり、存在感を放ってきた。
アナログな世界で生きることが、私の自己表現
昨年、デビュー15周年を迎えた彼女だが、アーティストとして大切にしている価値観を聞くと、“田舎者”であること、そして、アナログな世界への愛情だという。
「私にとって、田舎者(愛媛県出身)であることは、誇りであり、大切なアイデンティティです。機械に疎く、パソコンの電源の入れ方もわからないような私ですが、最近作ったスタジオには、立派なパソコンを設置しました。動作確認では、『これ、どこから音が出ているのかしら』と機械音痴すぎる自分にわれながら驚いてしまいましたね(笑)。
逆に言えば、超アナログな世界が私の心を魅了したり、アナログな世界で生きることが、私の自己表現なのかもしれない。そこには、人間が生まれ持った感性が存分に発揮され、生き生きと輝く何かがあるのだと」
時には、「自分が生まれた時代を間違ったのではないか」と思うこともあるという。
「昭和より前かもしれないと想像してしまいますね。最近、家に導入したぬか床をかき混ぜる瞬間とかが最高なんです(笑)。江戸時代の小説に熱中することもありますが、その時代の暮らしに思いを馳せ、心に静寂を与える瞬間を感じたりもしています」
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