偽情報で「加害者」にされる!「AI悪用」の防ぎ方 リスクを軽減する「責任あるAI」と「AI倫理」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現状有姿での提供であることに留意する: 生成AIは発展途上の技術であり、問題がないという保証はありません。あくまでも現状のバージョンが提供されるという形態です。したがって、想定外の問題、セキュリティ上の脆弱性が発生する可能性があることを前提に使用します。

インプット/アウトプットされるデータの管理:個人情報、機密情報、個人を特定できる情報を入力しないよう留意します。また、生成AIの出力結果は、AIで生成したものである旨記載する必要がある場合があるため、生成AIで出力したものであることがわかるように管理しておくことを推奨します。

公開先の確認:生成コンテンツをサイトやプラットフォームに公開・登録する場合、AIによって生成されたコンテンツが公開可能かどうか確認します。芸術作品を投稿するようなサイトの場合、AIによって作成したものを認めていない場合もあります。

生成AIを最大限活用するためには、これまで述べたようなリスクに注意し、それらを軽減しながら、倫理観と節度をもって取り組んでいかなければなりません。

企業における競争優位のための差異化ポイントとして

これから企業・組織において生成AIを活用していくうえでは、法務・コンプライアンスの観点、AIガバナンスの観点が必須になるでしょう。一部署での取り組みに閉じることなく、全社レベルでの施策として戦略的に動く必要があります。「責任あるAI(Responsible AI)」をはじめから戦略に組み込むことをResponsible by Designといいますが、生成AIにおいてこのResponsible by Designの考え方はますます重要になり、これからの企業における競争優位のための差異化ポイントとなっていくでしょう。

鈴木 博和 アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 AIグループ シニア・マネジャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すずき ひろかず / Hirokazu Suzuki

東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学修士課程、東京理科大学大学院イノベーション研究科技術経営修士課程修了。事業会社にて十数年におよびAIの研究開発・マネジメントおよびエネルギー・デバイス・メディカルなどの多領域での研究企画に従事。その後、IT系コンサル会社にて主に情報通信・流通・メディカル業界のクライアントに対し自然言語処理を中心としたソリューションのPoC~導入・運用支援を多数経験。現在はアクセンチュアにて、AI POWEREDサービスの一つ、AI POWEREDバックオフィスの開発・提案・デリバリーのリードを行いながら、さまざまなAI技術を活用した業務改革の実現に日々奔走している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事