ドレイク怒る!AI生成「フェイク曲」ヒットの衝撃 単なる著作権問題ですまない多大なインパクト

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同社は声明で、音楽に関わるすべての人々に向けて次のように問いかけた。「アーティスト、ファン、そして人間の創造的表現を支持する側と、ディープフェイクや詐欺を支え、アーティストへの適切な報酬を否定する側のどちらに立ちたいか」。

アーティストとレーベルは、少なくとも当面はファンがフェイクではなく本物のドレイク作品を選ぶと確信している。

音楽業界を根底から揺るがす可能性

もっとも、スーパースターが収益をかすめ取られたり、機械の模倣者に取って代わられたりする可能性は、問題の一面に過ぎない。今では著作権フリーの音楽ジェネレーターを使ってラップのビートやコマーシャルのジングル、映画音楽を作曲できるようになっているため、ただでさえ厳しい状況にある現役ミュージシャンの収入にさらなる打撃となりかねない。

専門家からは、生成AIが文章、画像、音声、映像の全領域で盛り上がり、急速に発展する中、クリエイティブ産業はこの技術によって全面的につくり替えられる可能性があるといった指摘も聞かれる。ファン、アーティスト、それらを管理するシステムが大急ぎで新たな規範に適応しなければならなくなっているということだ。

「今では誰かのスタイルやそれに似せたコンテンツを無限に生み出せるようになっており、近いうちにその労力もほとんどかからなくなる。私たちのすべてがその意味を理解し、折り合いをつけていかなくてはならない」

長年にわたりAIを研究し、作品に活用してきたミュージシャンのホリー・ハーンドンは電子メールによる取材でそう述べた。

「問題は、私たちが社会としてドレイクの本当の気持ちを気にかけるのか、それともAIが生成した表面的な音楽で満足するのかどうかということだ」とハーンドンは問いかける。「そうした音楽に満足できない人もいるだろう。ただ、Spotifyで音楽を流している人の多くが、ただ耳に心地のよい何かを聴きたくてそうしているのだということを考えると、事態は複雑だ」

「ゴーストライター」と名乗るユーザーがアップロードした「Heart On My Sleeve」の成功によって、オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」や「DALL-E(ダリ)」をはじめとする画像生成AIがリリースされて以降、他分野で激化している議論の最前線に音楽業界も引きずり込まれることとなった。ゴーストライターはYouTubeにアップロードした楽曲のコメント欄に、こう書き込んだ。「これは始まりに過ぎない」。

裁判所や議会では、AIの著作権をめぐる問題の整理が始まったばかりだが、音楽の著作権はそもそも複雑だ。現在のところ、人間がつくり出した知的財産のみが保護の対象となっているが、ミュージシャンがAIとコラボレーションした場合はどうなるのか。

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