34年ぶりアマプラ復活「たけし城」違和感の正体 なぜAmazonがTBS伝説番組をリブートしたのか

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視聴者参加型番組「風雲!たけし城」が34年ぶりに復活し、4月21日からプライム・ビデオで独占配信されているが、再ブームを起こすほどの勢いがないのはなぜか? たけし城の家老家臣役としてお笑いコンビのバナナマン、設楽統(左)と日村勇紀が番組を進行する(©2023 Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved)
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Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

1980年代の「竜神池」も再現

かつてブームを巻き起こした1980年代のTBS番組「風雲!たけし城」がAmazonオリジナル番組として復活し、プライム・ビデオで4月21日から独占配信されています。日本のみならず、世界にも影響を与えた伝説の番組と言われるだけに期待値は高いわけですが、池に落ちたり、泥んこになったり失敗だらけの視聴者参加型ゲームバラエティは笑いも再び取り戻しているのでしょうか。

結論から言うと、バカバカしさあふれる番組の面白さを再認識できるものの、再ブームが起こるほどの勢いはまだありません。時代がそうさせているのか、懐かしさが邪魔しているのか、ズレが生じている要因はいくつかあります。

昭和版と言うべきか、オリジナルの「風雲!たけし城」が放送開始されたのは1986年です。地上波のTBS系列で1989年まで全129話が展開され、当時最高視聴率24.7%を記録しています。リアルタイムで視聴していた世代であれば、その熱気は記憶に残るもの。筆者もお茶の間のブラウン管テレビで観ていた1人です。

このオリジナル版を尊重しながら、令和版が作られています。厳密に言うと、AmazonがTBSにアプローチして番組フォーマットを購入し、プライム・ビデオで独占配信するAmazonオリジナル番組としてAmazonが制作ノウハウのあるTBSに協力を仰ぎながら令和版を作ったかたちです。

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