日本で衰退「チカラめし」タイで復活期す納得理由 味付けやメニューは日本と同じ、香港でも展開

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東京チカラめしの焼き牛丼
タイでは190バーツ(約758円)という「東京チカラめし」の焼き牛丼(写真提供:SANKO MARKETING FOODS)

煮込むのではなく、焼いた牛肉をご飯に乗せた「焼き牛丼」で人気を博した「東京チカラめし」。2011年6月に1号店を東京・池袋にオープン後、ブームに乗って最盛期には134店舗にまで拡大した。

ところが、出店を急いだためにスタッフの教育が間に合わなくなるなどオペレーションが崩れ、客が離れてしまう。多くの店が閉店となり、現在は2店舗(千葉、大阪)のみになってしまったのだが、その「東京チカラめし」がアジアでの巻き返しを図っているのだ。

現地パートナーとライセンス契約

まず2021年に香港へ上陸、コロナ禍にもかかわらず人気となり3店舗を展開させると、今年2月にはタイ・バンコクに進出。日本人在住者や観光客の多いタニヤ通りに出店し、客足も順調だという。

タイの東京チカラめしの店舗
タニヤ通りの中央に立つタニヤプラザの中にオープン(写真提供:SANKO MARKETING FOODS)

「香港も同様ですが、タイでも現地企業とのライセンス契約を締結するという形を取っています。以前、タイ側のパートナー企業の方が日本に観光に来たときに焼き牛丼を食べて、ファンになってくれていたそうなんです。ぜひバンコクでも出店したいと、先方からお声がけいただいたことがきっかけです」

「東京チカラめし」を運営するSANKO MARKETING FOODSの長澤成博社長(55)はそう語る。

折しもコロナ禍でSANKO MARKETING FOODSの主力となっている居酒屋業も大きなダメージを受ける中、社内ではライセンス事業を活用した収益化に取り組もうとしていたころだったという。

またバンコクで開催された「ジャパンエキスポタイランド2019」、同「2020」に「東京チカラめし」も出展したところ、タイ人客の反応が非常に良かったこともあり、今回のライセンス締結に至ったそうだ。

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