「IT大国」台湾の電気バスはどれほど進んでいるか 「自国開発・海外生産」で世界販売拡大目指す
4月12日から15日にかけて台湾・台北の南港展覽館で「E-Mobility Taiwan」と題したスマートモビリティーをテーマとした博覧会が開催され、自動車メーカーやサプライヤー各社が2050年のカーボンニュートラル達成へ向けた各種の製品を発表した。
とくに注目を集めたのは台湾国内生産のEVバスだ。公共交通機関が率先して二酸化炭素排出削減への取り組みを求められる中、台湾は2030年に路線バスの全面EV化を目指している。バス大国といわれる台湾ではおよそ1万2000台の路線バスが緻密な路線網を走行しており、その数は日本バス協会が2030年までのEVバス導入台数の目標として掲げる1万台を上回る。
台湾のバスメーカーや部品メーカーはIT立国ならではの強みを発揮した充電システムなどをアピールし、スマートフォンなど電子機器受託生産最大手のフォックスコン(ホンハイ)もEVバス製造に乗り出している。台湾のEVバスの現状を紹介する。
1日500km走れる長距離EVバス
台湾では現時点で、自国で開発した車両を中心に約1400台のEVバスが市街地の路線を走行している。とくに規模が大きいのは台北市で、幹線路線を中心に2023年3月現在で348台を導入。バス停間の距離が短く加減速が激しい市街地においても、その静粛性と乗り心地は市民から評判がいい。
そんな中、台湾のバスメーカーである成運汽車は今回、長距離の都市間輸送をターゲットとしたモデルを発表して注目を浴びた。新幹線N700Sの自走用バッテリーにも採用されている東芝製のチタン酸リチウム二次電池を採用し、1日で最大500kmの走行が可能とアピール。現在のEVバス市場が市街地の路線バス向け車両を中心とする中で、都市間向けのモデルを拡充することで新たな需要を狙い、今年中に249台の引き渡しを目指すという。
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