ホンダ｢ZR-V｣対トヨタ｢RAV4｣ミドルSUV比較 価格帯も近く､類似点も多い2モデルを分析する

ミドルサイズSUVに属するホンダのZR-VとトヨタのRAV4（写真：本田技研工業/トヨタ自動車）

ホンダの新型ミドルサイズSUV「ZR-V」が2023年4月21日より発売を開始した。同モデルのライバル車には、日産「エクストレイル」やマツダ「CX-5」、スバル「クロストレック」など、さまざまな車種が挙げられるが、中でも手強い競合車となりそうなのがトヨタ「RAV4（ラブフォー）」だ。

ZR-Vよりコンパクトなボディを持つ、ホンダのSUVであるヴェゼル（写真：本田技研工業）

両モデルは、いずれもガソリン車とハイブリッド車の両方をラインナップし、価格帯もかなり近い。しかもRAV4は、2019年に発売された現行モデルが、現在も順調な売れ行きをみせている。一方、ホンダのSUV布陣は、現在、コンパクトサイズの「ヴェゼル」があるのみで、このジャンルは手薄。ZR-Vの登場により、各社が熾烈なシェア争いを展開するSUV市場で、ホンダが今後どの程度の存在感を示せるのかも気になるところだ。

そこで、ここではZR-Vの数ある強敵のなかで、RAV4をピックアップし、ZR-Vと比較。両モデルそれぞれの商品性や優位性などを検証してみる。

2モデルの外観・ボディサイズを比較

ホンダZR-Vの外観（写真：本田技研工業）

ZR-Vの外観は、フロントのバーチカル（垂直）グリルや、横長でシャープなヘッドライトなどが印象的だ。また、フロントからリアにかけてボリューム豊かで滑らかな面を特徴とする流麗なプロポーションは、都会的な雰囲気を演出する。

トヨタRAV4の外観（写真：トヨタ自動車）

対するRAV4のデザインは、幾何学形状の八角形（オクタゴン）2つを、90度ずらしてはめ合わせた「クロスオクタゴン」という造形テーマで開発。外観のさまざまな箇所に多角形を織り込んだスタイルは、オフロードなどのアウトドアにマッチするタフさと、都会にも似合う洗練性を両立している。

両モデルのボディサイズは、ZR-Vが全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mm。一方のRAV4は、全長4600～4610mm×全幅1855～1865mm×全高1685～1690mm（プラグインハイブリッドのZは1695mm）。全体的にRAV4のほうが大柄で、そのぶん、より存在感も大きいエクステリアであるといえるだろう。