ホンダ「ZR-V」対トヨタ「RAV4」ミドルSUV比較 価格帯も近く、類似点も多い2モデルを分析する

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ちなみにプラグインハイブリッドのZグレードでは、エンジンが最高出力177ps/6000rpm、最大トルク22.3kgf・m/3600rpm。駆動用モーターがフロント用で最高出力182ps、最大トルク27.5kgf・m、リア用は最高出力54ps、最大トルク12.3kgf・mだ。

こうして比較すると、ハイブリッド車では、RAV4のほうがパワーやトルクは上だ。だが車両重量では、ZR-V e:HEVの1560~1630kgに対し、RAV4のハイブリッド車は1620~1700kg(プラグインハイブリッド車は1920kg)。車体が重いぶん、一概にRAV4のほうが走りに余裕があるとも言い難い。筆者が実際に乗り比べた印象では、車体が軽いぶん、スポーティーで軽快感があるのはZR-V e:HEV(2WD車に試乗)。低速からトルク感があり、SUVらしい重厚な走りを味わえるのがRAV4のハイブリッド車(4WDに試乗)ではないかと思う。

なお、燃費性能は、ZR-V e:HEVがWLTCモード値21.5~22.1km/L。対するRAV4のハイブリッド車では、WLTCモード値20.3~21.4km/Lと、やはり車体が軽いことが好影響を及ぼしているのか、ややZR-Vのほうがいい。ただし、RAV4もプラグインハイブリッド車であればWLTCモード値22.2km/Lだから、ZR-V e:HEVとほぼ同等か、若干いいといえる。

ZR-VとRAV4のガソリン車を比較

1.5 L 直噴VTECターボエンジン
ZR-Vのガソリン車に搭載されている1.5 L 直噴VTECターボエンジン(写真:本田技研工業)

一方、両モデルのガソリン車では、ZR-Vの1.5L・4気筒VTECターボが最高出力178ps/6000rpm、最大トルク24.5kgf・m/1700~4500rpm。対するRAV4の2.0L・4気筒は、最高出力171ps/6600rpm、最大トルク21.1kgf・m/4800rpmだ。

パワーやトルクはZR-Vのほうがややあるし、車両重量も1460~1540kgのZR-Vのほうが1500~1630kgのRAV4より軽い。そのためか、ガソリン車においても、スポーティーな走りを楽しめるという点ではZR-Vのほうが上だろう。ただし、燃費性能では、WLTCモード値でZR-Vが13.9~14.6km/Lなのに対し、RAV4は15.2~15.8km/L。数値上では、RAV4のほうがやや良好だ。

RAV4の4WD性能

雪上でのRAV4走行シーン
雪上でのRAV4走行シーン(写真:トヨタ自動車)

オフロード走行をするための4WD機能にも、両モデルにはそれぞれ特徴がある。とくにRAV4のガソリン車は、かなりの充実ぶりだ。例えば、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」。これは、走行状況に応じて、前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する「トルクベクタリング機構」と、システムが4WD走行を不要と判断したときには、後輪に動力を伝達させる駆動系を切り離す「ディスコネクト機構」を組み合わせたものだ。オフロードなどでは、トルクベクタリング機構で高い走破性を実現するとともに、一般道路などで4WDが不要なときは、ディスコネクト機構で燃費向上を図る。

また、路面状況に応じた走行支援を行う「マルチテレインセレクト」も採用。「マッド&サンド」「ノーマル」「ロック&ダート」といった3つのモードから走るシーンに応じた選択が可能だ。なお、RAV4のハイブリッド車にはこの機能はないが、悪路などで車輪がスタックしたときにスイッチを押せば、タイヤへ最適なトルクをかけて脱出を支援する「トレイルモード」を設定している。

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