2代目伊予灘ものがたり、何度も乗りたくなる秘密 アテンダントや食事の魅力で乗車率は9割に

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「1~2号車も共通の、みかんをイメージした照明は、1〜3便は白っぽい光ですが、4便の道後編では夕日を思わせる暖色系になります」

これも初代にはなかった仕掛けで、感心した。ところでなぜ3号車は、部屋を区切って個室を多く作らなかったのだろうか。

「通常の列車のように4名個室を2つ3つ並べると、どうしても反対側が壁になってしまいます。いろんなところでお手振りしてくださるのが見えなくなるので、それはやめよう、と」

やはりお手振りの方々を考えてのデザインだった。JR四国にとっても、お手振りは欠かせない存在なのだ。

「車両デザインに関しても、沿線のみなさんがずっと見てきた車両が、ガラっと変わるのは、ちょっと違うかな、と。なるべく前の車両の面影を残しつつ、改良しました。列車にお手振りするのを始めてから、その地域で今までなかったつながりができたとか、知らない人同士がこれをきっかけに話すようになったと聞きます。列車が走ることで、その町が元気になるっていうのはすごくうれしいですね」

「たぬき駅長」がお出迎え

五郎駅では相変わらず、たぬきの格好をした「たぬき駅長」を中心に、子だぬきや大勢の人々が手に団扇や花などを持ち、派手にホームで迎えてくれた。

長く停車する下灘駅では、食事の途中だったが一度下車した。席に戻ると、お弁当やコーヒーにラップがかけられていた。アテンダントの細やかな気遣いがうれしい。

ほか、途中途中で、実にたくさんの方が走る列車に向かってお手振りをしてくれた。私が初代に乗車した時より、その数は確実に増えている。中でも「シャボン玉」を飛ばし、もてなしてくれるのは初めての体験だった。

それも一箇所だけではない。おもてなし自体も、確実に進化しているのを感じた。

そして終点に到着する直前、アテンダントから「お誕生日おめでとうございます!素敵な1年になさってください」とカードを手渡された。いただいたのはアテンダント一同からの手書きのバースデイカード。今回は私の似顔絵まで描いてあった。

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