連休後の日経平均は3万円に近づくかもしれない 聞き慣れない「夜放れ相場」がやってくる可能性
さて、5月になっても兜町では「10年持てない株は10分たりとも持たない」と断言するバフェット氏が次に狙う銘柄は何か、との話題で持ち切りだ。筆者はゼネコンではないかと考え、すでに声を大にして独自予想を展開している。
それはなぜか。建設業界を10年単位の期間で見た場合、まず関西では2025年に向けて建設が進む大阪万博に加え、2029年に部分開業が期待され、初期投資1兆円といわれる大阪IR(統合型リゾート)がある。
また、現在は停滞しているが話し合いは途絶えていないリニア新幹線、さらに札幌まで伸びる北海道新幹線、台湾TSMCの熊本工場(受注は鹿島など)や、巻き返しを図るラピダスをはじめとする日本の半導体の大規模工場建設なども続く。
さらには、補修や建て替えが必要な築50年以上の建造物がこれから大量に出てくることを考えると、「10年持てる業種の筆頭」といえるのではないか。
例えば、大林組はすでに2022年度を初年度とする5カ年の新経営計画で「自己資本配当率(DOE)3%程度」を配当額の目安にする資金配分方針を決めている。これによって、株主への還元率は大きく上昇、前期(2023年3月期)の配当は前々期比10円増配の42円としていた。
しかも、4月26日になって同社は英国のファンド(シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ)から「1株12円の特別配当提案を受けた(シルチェスターは合計は54円配当を要求)」と発表、株価は急騰している。
当たり前のことだが、東京証券取引所が唱える「PBR(1株当たり純資産)1倍割れからの脱出提案」に応えようと、各社がいくら利益を上げても、分子(株価)が上昇しなければ分母の資産が増えるだけで、かえってPBRは低下してしまう。
やや乱暴な提案かもしれないが、いったん「分母の増殖」を止めて、例えば単年度の利益をほぼすべて株主に還元すれば株価も大きく上がり、東証の改革提案はいっぺんに成就する。
前出の英シルチェスターは大林組だけでなく、大成建設や清水建設、戸田建設などの株を保有していることで知られている。例えば戸田建設は、仏ファンドから発行済み株式数の約10%の自己社株買いの株主提案を受けたため、4月以降の値上がりは著しい。バフェット氏に期待したが、まさに伏兵が現れた感じだ。
そもそも、首都圏の新築分譲マンションの平均価格が1億円を突破したなどと、1990年時の資産バブルを超えているような現状からすれば、バブルの花形だった建設株は安すぎるのではないかと思っている。
連休明けは高く始まっても、一時的に混乱も
ただし、連中明けの相場がもし高く始まったとしても、高値警戒感から一時的に下落する可能性もある。実際、この1週間(8~12日)と15日の月曜日を合わせると、合計2500社を超える企業の決算発表がある。とくに12日には、1日で1000社超の発表が予定されている。
前回の本稿では「2023年度(2024年3月期)前半は厳しいが、後半は回復する」と書いたように、相場の過熱感や企業業績への警戒感が台頭するかもしれない。
そもそも、大量の決算発表で1つ1つの企業の分析をしている暇もないかもしれない。ただ、実際に相場が一時的に下落したとしても、筆者は「とにかく下げたら買えばよい」と考えている。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
大成建設の株価・業績、大林組の株価・業績、清水建設の株価・業績、鹿島の株価・業績、戸田建設の株価・業績 は「四季報オンライン」で
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