「爆買い」から「高級体験」へ。新たな需要を満たそうと、せきを切ったように日本を訪れ始めた外国人。日々の旅の終着地であるホテルは生き残りを懸けた決戦に挑む。ターゲットは富裕層だ。

高級ホテルの出店が続く。中でも注目は4月に開業したブルガリ ホテル 東京(左、写真:Bulgari Hotels & Resorts)と2023年秋開業のジャヌ東京(右、写真:アマン)
せきを切ったように押し寄せるインバウンド。彼らを囲い込むべく、ホテルは高級化路線を強化している。『週刊東洋経済』5月8日(月)発売号では「ホテル富裕層争奪戦」を特集。ブルガリホテルの全貌、帝国ホテルの逆襲、現場の人手不足や耐震改修が必要なホテルなど、ホテルの「光と影」をリポートする。
「最高級の体験を提供してほしい」。2023年の4月、富裕層外国人に特化した旅行会社の幹部は、欧州のある富裕層から届いた依頼書の内容に驚いた。見積もりについて、「金額の上限はなし」と記されていたのだ。
2022年10月にコロナ禍の水際対策が緩和されて以降、せきを切ったように外国人観光客が日本を訪れている。中でも富裕層の消費力は驚異的だ。冒頭の会社では、会議に参加するために日本を訪れた超VIPをアテンドしたが、20日間の滞在費用(宿泊や飲食などトータル費用)はグループで数億円だったという。
「手が回らず、一部の依頼は断るしかなかった」と、富裕層外国人に特化した別の旅行会社の幹部社員は語る。
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こうした富裕層外国人の受け皿となるために、都内では高級ホテルが続々と開業している。特徴的なのは、世界の最高級ホテルに匹敵するほどのラグジュアリーホテルが登場していることだ。
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