国内勢が苦戦する中、外資系の高級ホテルの出店が相次いでいる。なぜこれほど差が生まれているのか。
「日本の高級ホテルの未来は極めて暗い。ラグジュアリーホテルではなく、儲かるビジネスホテルに注力するほうが賢明ではないか」。ある業界関係者はこう指摘する。
日本の高級ホテルは、苦境に立たされている。
観光立国を目指す日本政府は、2016年に2400万人だった訪日外国人者を2030年に6000万人まで引き上げると発表。加えて、2023年2月には、2025年までに訪日外国人1人当たりの消費額を2019年から25%増の20万円とする方針を明らかにした。
今後、日本の観光市場は、「外国人観光客の消費額をいかに引き上げるか」という戦略に沿って進められていくと見てよいだろう。その流れの中でも注目なのが、高級ホテルだ。
訪日外国人の消費額のうち宿泊代は3割を占めるが、「東京のラグジュアリーホテルは、ロンドンやニューヨークなどと比べてまだまだ少ない。外国人観光客が増える中でさらに需要が増えることが予想される」と、M&Aのコンサル業務などを行うKPMG FASのクレパル章子シニアマネージャーは語る。
強気の出店を続ける外資系高級ホテル
日本の高級ホテル市場で強気な出店を続けているのは、マリオット、ヒルトン、アマンなどの外資系高級ホテルのブランドだ。帝国ホテルを筆頭とした国内高級ホテルは、劣勢に立たされている。
勢いの差が一目でわかるデータがある。下記の図表は、宿泊業に特化したビジネススクールの宿屋大学がまとめた2023年から2028年までの高級ホテル(平均客室単価3万円以上)の出店計画だ。
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