戦略の理想「ブルーオーシャン」の大きな落とし穴 AO入試でわかる「競争と無関係」が一番の理由
アメリカのAO入試ではもちろんですが、日本のAO入試で大学進学を目指す高校生にとっても、これはとても重要な点です。
自分はこういう人間で、こういうブランドをもっている、いかに自分は他の志願者と違うのか、自分が情熱をもっていること、自分が専念していること、自分のパーソナリティはこうです、だからこの大学は自分に合っている、といった具合に「自分の物語(ナラティブ)」を語り、自己をアピールする必要があるのです。
そして、その人のブランドは2つの特性からのみでつくられるのではなくて、その人の 「総合的」な特性からつくり上げられるのです。そして、その総合的な特性で戦うことになるのです。その意味において、日本ではAO入試を「総合型選抜」と呼ぶようになったのはこうしたことが要因でしょう。
得点競争でなくても戦略は必要
誤解のないようにつけ加えておきますと、AO入試だからといって競争がないわけでは決してありません。
競争相手のサメはいます。AO入試では、入学試験で高得点を取るという競争ではなく、願書を出した生徒のプロファイル(人物像)を総合的に審査するので、語弊はありますが、陸上競技のディカスロン(十種競技)やトライアスロンのように、いくつかの種目の競技をこなして総合点を争う競争に似ていると言えばよいのかもしれません。
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