戦略の理想「ブルーオーシャン」の大きな落とし穴 AO入試でわかる「競争と無関係」が一番の理由

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既存の製品・サービスの市場を海にたとえるなら、競争相手がサメのようにウヨウヨとたくさん泳いでいて、互いに血を流して海が真っ赤に染まっている状態です。このような状態は、レッドオーシャン(真っ赤な海)と呼ばれています。

身近な例としては、日本のペットボトルや缶飲料を考えてみてください。スーパーやコンビニ、あるいは自動販売機で売られている飲料は、一体どれくらいの製品が1つのカテゴリーにあるのでしょうか。

お茶、水、コーヒー、紅茶、炭酸飲料、ジュース等のカテゴリーの中では何社の企業がいくつの製品を毎年、あるいは季節ごとに市場に送り込んでいるのでしょうか。とにかくたくさんの製品が同じカテゴリーの中にひしめき合って、競争しているのです。

ブルーオーシャンは理想的だが…

そこで、そのような競争相手がたくさんいるところにわざわざ入り込んで苦労するのではなくて、競争相手のサメたちがまだいない、つまり血で汚れていない紺碧の海に新しい市場をつくろうというのが、ブルーオーシャンと呼ばれる戦略です。フランスのINSEADというビジネススクールのチャン・キムとレネ・モボルニュ両教授が提唱した戦略です。

簡単に言うと、既存の産業内での立ち位置による競争は避けて、競争相手が誰もいない場所で事業を展開しなさい、ということです。

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