戦略の理想「ブルーオーシャン」の大きな落とし穴 AO入試でわかる「競争と無関係」が一番の理由

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さて、このブランドの概念を、AO入試に当てはめて考えてみましょう。

アメリカのAO入試の「AO」はAdmissions Office(アドミッションズ・オフィス)、つまり「入学を許可する事務局」を意味します。日本語に訳されていないことからおわかりのように、日本のAO入試は日本独自のシステムではなくて、英語圏の大学(特にアメリカですが)の選抜方式を参考にしてつくられたシステムだと理解してよいでしょう。

志願者が各大学別に願書と書類を送るのではなく、全大学共通のたくさんの必要事項(たとえば、高校4年間の成績詳細、履修科目とそのレベル、大学進学の適性を示すための共通学力試験の得点、賞、栄誉、課外活動等々)を記入し、複数の推薦状と必要な書類を添付します。そして、入学を志望する大学を選び、各大学別に設定された質問に答え、課題のエッセイを提出します。

人物像で勝負するAO入試

さて、この選抜方式では、共通学力試験の成績は重要ではありますが、それですべてが決まるわけでは決してありません。

むしろ、この方式は志願者の高校4年間の学業成績・課外活動・その他の活動・成果、そして複数の推薦状から、その人を総合的に考慮した人物像をつくり、その人物像が志望する大学が期待するプロファイル、つまり期待する学生像と適合しているかによって選考する方式、と考えていただければよいかと思います。

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