「寡黙な上司」の下で働くのが「無理ゲー」な理由 自己開示しない管理職が心理的安全性を下げる
つまり、メンバーからの自己開示は、よほど親しい間柄か、「何を話しても大丈夫」という信頼関係がすでに構築されている場合においてのみ可能なのです。そうでなければ、とてもリスクのある行為に感じられてしまいます。
だったら、マネジャーから率先して自己開示するのがいいですよね。
自分の「好き」「嫌い」を伝えるだけでも効果はある
自己開示で何を話せばいいのか戸惑う人もいるかもしれません。
基本的には何を話してもいいのですが、あまりマニアックな自分の趣味の話だけをしていても、あなたの一側面しか伝わらず、チーム内の信頼関係や心理的安全性の向上、ひいては組織で成果をあげることには寄与しないかもしれません。
それよりも、自分の価値観や信念、期待感を中心に、「自分はこれが好き」「これが嫌い」「これを大切にしている」「これが正しいと信じている」「こういう働き方をしたい」といったことを開示していきましょう。自分の好みや感じ方、考え方を周りに伝えておくだけで、メンバーは仕事がしやすくなり、職場の心理的安全性は高まります。
あなたも行きつけの店やレストランでは普通にやっていることかもしれませんね。自分の好きな料理やドリンクをお店の人に伝えておけば、次にお店に行ったときに、「〇〇様はお刺身が好きでしたよね。今日はこういう刺身がありますよ」という会話になって、物事がスムーズに進みます。
ところが、自分の好みを伝えていないレストランでは、
「○○様、今日のスペシャルはこれです。おすすめですよ」
「ちょっと待って。この食材、僕は好きじゃないんです」
あるいは、
「今日はこのお酒を特別に用意しました」
「いや、ちょっと待って。僕はお酒が飲めません」
と、会話がちぐはぐになって、食事を楽しみたい気持ちも醒めてしまいます。
僕は、同じ店に2回以上通う場合には、給仕してくれた人を名前で呼ぶようにしています。できるだけ親しくなって、その人がどういう人で、この店で何をしていて、何を楽しんでいるのかを知りたいと思っています。また、その人にも僕の名前はもちろん、僕がどんな料理を好きで、何を楽しみにしているかを知ってもらうようにしています。
僕の好みを理解してくれていれば、次にお店を訪れたときに、「ピョーさん、こんにちは! 今日はこういう美味しい肉がありますよ」と僕の好みに合った料理をおすすめしてくれるので、楽ですし、気持ちがいいんです。
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