映画「スーパーマリオ」北米で大ヒットの納得理由 続編ではないアニメ映画では史上最高の出だし
映画館が新型コロナのパンデミックからの回復に苦労しているのは、かつて頼みの綱だった家族連れの観客が戻ってきていないことが一因だった。昨年、家族向けの映画(主にアニメーション)は、全世界のチケット売り上げの17%と、2019年の約半分に落ち込んでいた。
だがこの週末、ユニバーサル・ピクチャーズの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、顎が外れるほどの規模でファミリー層を動員し、アメリカとカナダの劇場で推定1億4640万ドルのチケットを売り上げ、4月5日に封切りしてから総額2億460万ドルに達した。PG指定のこの映画は、イルミネーション・エンターテインメントと任天堂がおよそ1億ドルの製作費をかけている。
ブルックリンの配管工が、キノコ王国と呼ばれる魔法と危険の領域に飛び込んでしまうという『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、アメリカ国外でさらに1億7300万ドル売り上げた。あるハリウッド業界ニュースサイトは、この結果を「非常識」と呼び、『ワイルドスピード』や『ジュラシックワールド』といったユニバーサルのメガ作品の結果に匹敵すると指摘している。
「週末になるにつれ数字がどんどん伸びた」
ファミリー映画は、ハリウッドが再び比較的確実なものとして期待できる程度に、復活したのだろうか。
スタジオの幹部や映画館のオーナーたちは、週末に「やった!」と叫びながら、事実上、くるくると回っていた。「これはまさに異常なことだ」と、ユニバーサルの国内劇場配給担当社長であるジム・オール語る。「週末になるにつれ、数字はどんどん伸びていった」。
興行アナリストはもっと慎重だ。映画コンサルタントで映画業界の重鎮でもあるデビッド・グロス氏は、家族向けエンターテインメントの圧倒的なクリエイターであるウォルト・ディズニー・スタジオは、真の回復を宣言する前に劇場用アニメのヒットを出す必要があると話す。