映画「スーパーマリオ」北米で大ヒットの納得理由 続編ではないアニメ映画では史上最高の出だし
コムスコアのシニアアナリストであるポール・ダーガラベディアン氏は、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が続編ではないアニメ映画としては、『ペット(2016)』を退け、史上最大のオープニングを記録し、アニメ映画としては史上2番目に大きなオープニングとなったと語っている。1位は2018年に公開3日で興行収入1億8300万ドルに達した『Mr.インクレディブル2』(ディズニー・ピクサー)だ。
ユニバーサルは、会長のドナ・ラングレーのリーダーシップのもと、アニメーション大国へと変貌を遂げた。彼女は2つのアニメ工場を統括している。クリス・メレダンドリ(『怪盗グルーの月泥棒』『アイス・エイジ』)が設立したイルミネーションと、『長靴をはいた猫』を製作したドリームワークス・アニメーションだ。
アカデミー賞候補となった続編『長靴をはいた猫2』は、昨年12月のチケット売り上げがわずか1240万ドルで、最終的に全世界で4億8000万ドルにとどまった。ユニバーサルの今後のアニメーション映画には、6月に劇場公開予定のR指定のイヌ・コメディ『Strays(原題)』があるほか、同社は『シュレック』シリーズのリブートにも取り組んでいる。
ゲームを基にした映画がようやく成功
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、賛否両論の評価を受けている。しかし、シネマスコアの出口調査でAランクを獲得したこの映画は、チケット購入者の間ですぐに成功を収め、ハリウッドの最近の傾向に拍車をかけた。つまり、世界的に魅力的な知的財産を求めるスタジオが、ビデオゲームを映画化するためのコードをついに解読したということだ。
30年前、ビデオゲームを題材にした最初の映画『スーパーマリオブラザーズ』が殿堂入りするほどの大失敗を喫したことから、このジャンルに対する映画業界の苦難の歴史は始まった。
近年、スタジオはゲームの映画化に新たに熱中し、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(パラマウント)や『名探偵ピカチュウ』(ワーナー・ブラザース)などの成功を収めている。テレビでは、『THE LAST OF US』(HBO)や『The Witcher(ウィッチャー)』(Netflix)がゲームベースのヒット作となっている。
アメリカとカナダで、3343館で上映された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、ノスタルジアの恩恵を受けたとオール氏は指摘する。任天堂がマリオブラザーズのゲームを初めて発売したのは1980年代だが、週末の観客の約26%は35歳以上だった。
「イルミネーションと任天堂は、ファンが大好きな映画を作るために協力した」とオール氏は言う。「そして観客たちは、彼らが何十年も知っているキャラクターをおおいに楽しむことを望んでいたのだ」。
(執筆:Brooks Barnes記者)
(C)2023 The New York Times
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