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「政府の役割とは何か」古典派経済学に学ぶ本質 J.S.ミルの思想から考える5つの重要な問題点

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  • 西 孝 杏林大学総合政策学部教授
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③−4は、今日でも繰り返し述べられる典型的な議論です。いつの時代でもそうです。政府のほうが民間に比べて効率が劣る傾向があるのは、主にその動機の問題だと言います。

しかしそれでも、およそより進歩した社会では、そして大多数の業務についていえば、その業務にもっとも多く利害関係を有する私人が政府の干渉を受けずにそれをなす場合、あるいはそれがなされるように手配する場合を比較すると、政府の干渉によってなされる場合は結果が劣るものであるということは、依然として真理であろう。
この真理の根拠は、次のような、よく口にされる格言の中に、かなりの正確さをもって表明されている。すなわち、人民自身の事業や人民自身の利害は、政府が理解し、配慮するよりも、あるいは理解し配慮すると期待せられうるよりも、人民自身の方がよりよく理解し、よりよく配慮するものである、という格言である。(J.S.ミル『経済学原理』(五)296−297ページ)

しかしミルは、政府が担ってもそれほど効率が落ちないような業務もあり、そういうものについては政府がやってもよいということを、政府の随意的機能(上述の④)で述べています。また逆に政府でなければできないこともあります。政府の役割について考えるときには、それらを十分に議論する必要があることを教えてくれています。

人々から公共性や能動性が失われる

最後の③−5「人びとから公共心や能動性が失われる」という論点ですが、ミルはこれが一番重要だと言っています。だから最後にもってきたのだそうです。

社会全体の利益のためにみずから進んで行動するという習慣をもたない国民、およそ共同の事柄となるとそのすべてにおいて政府が彼らを指揮、督促することを習慣的に期待する国民、ただ単なる習慣および日常普通の事柄に還元することができることのほかは、万事、誰かが自分たちのためにやってくれることを期待する国民――このような国民においては、その能力はまだ半分しか開発されていないのである。(J.S.ミル『経済学原理』(五)299−300ページ)

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【考えるべき問題】

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